【転倒事故】一度のケガで一生寝たきりに
厚生労働省の調べによると、65歳以上が介護を必要とすることになった原因の13%にあたるのが「転倒による骨折」だという。
「骨粗しょう症が進み骨がもろくなっている、特に70代以上は、大腿骨など歩行に関わる骨を折ってしまうと、治るまでの間に筋力や活力がどんどん衰えて、寝たきりになってしまうことも。
50代、60代でも運動習慣がない人は、それだけで筋力が平均よりも落ちていますから、転倒による骨折で筋力が衰えてしまうと、外出などがおっくうになり心身に不調を来す可能性も」
転倒事故を防ぐには、自宅を物理的に安全な場所にするのが大事だ。
「床に物を置かない、滑りやすいスリッパは捨てるなど少しでも転倒の原因になりうるものは排除してください。また、意外と多いのが床と布団のわずかな段差につまずいてしまうケースなので、布団は毎朝きちんと畳むか収納を。
視力の低下により、段差や階段が見えにくくもなっているので、部屋の明るさも重要。古い電気はLEDに取り換えてもいいかもしれません」
家電などのコードにつまずいてしまうことも多い。冬場は電気ストーブなどの暖房器具を設置する家庭も多いが、転倒事故だけでなく火災の原因にもなるので要注意。
「コード類は動線上に置かない、養生テープなどで床に貼りつけて固定するなど工夫をしてください」