生理は1か月の成績表、更年期は卒業試験

 当時最先端だった海外の栄養学を学び「良質な油」の摂取が女性ホルモンの分泌、脳機能、血流などの改善、肌の健康に重要な役割を果たすことを知った。

「30代の中盤から食生活を見直したことで、生理が来るようになり生理痛もまったくない状態になりました。さらに更年期といわれる時期も何の不調もありませんでした」

 ご自身の経験を通して、食事が女性にとっていかに大切かを実感したという伊達さん。

生理は、1か月に1回やってくる身体の“成績表”なんです。経血を作るのに十分な栄養が体内にあれば、PMSも生理痛もありません。つまり“合格”ということ。お腹が痛いなど不調があれば今月の栄養は足りていなかったということで、“不合格”なんです。更年期障害は、初潮から閉経までの“卒業試験”というイメージでしょうか」

 身体にいい油かを見極めるために、常温の状態で固体か液体かということもひとつの目安。

牛脂や豚脂は常温で固体、植物油や魚油は常温で液体の場合が多いですよね。バターなど、常温で固体タイプの脂質は、摂取しすぎると体内でも固まりやすいということです。脳梗塞、心筋梗塞などの病気の引き金になる可能性もあります。

 常温では液体タイプのオリーブ油など食用油に含まれる脂質のほうが体内でも固まりにくく身体にいい油とされています

 常温で液体の油を不飽和脂肪酸という。その中でもぜひ積極的に取り入れたいのが多価不飽和脂肪酸という種類のもの。

 大豆油やコーン油に含まれるオメガ6系脂肪酸と、えごま油やあまに油などに多く含まれるオメガ3系脂肪酸などがある。身体の中で作ることができないので、食事からとる必要がある油だ。

「ただし、オメガ6系脂肪酸はとりすぎると身体の中で炎症を促すといわれていて、逆に生理痛の原因になることも。女性ホルモンを整えたい皆さんにはオメガ3系脂肪酸のほうを意識して取り入れるとよいでしょう。

 炎症を抑え、女性ホルモンを整えたり自律神経を整えるなどいろいろな健康・美容効果があるといわれています」