朝に卵を食べて筋肉を効率的に増やそう

「朝にしっかりタンパク質をとると筋肉がつくられやすくなります。日本人に多いのは、忙しい朝と昼はパンやうどんなどの糖質で済ませ、夜にタンパク質を大量にとる人。タンパク質を夜にたくさんとると、肥満の原因になるため注意が必要です。

 中肉中背で健康そうに見える中高年女性が、実は脂肪ばかりで筋肉が少ない虚弱状態に陥っているケースも多いんです。タンパク質の1日の理想の摂取バランスは、朝4、昼4、夜2と覚えておきましょう

鎌田先生の朝食メニュー 撮影/吉濱篤志
鎌田先生の朝食メニュー 撮影/吉濱篤志
【写真】小腹が空いたときに「おやつ卵」で簡単“タン活”

 卵の健康効果は、筋肉の維持だけではない。ビタミンやミネラルも豊富で、骨や脳を健康に保つ働きも期待できる。

「細胞の老化を防ぐ抗酸化ビタミンのビタミンA、ビタミンE、さらにカルシウムの吸収を助けるビタミンD、エネルギー代謝に欠かせないビタミンB群も豊富です。また認知症予防に効く脂質のレシチンやコリン、神経伝達物質の原料で必須アミノ酸の一つ、メチオニンも一度にとれるんです」

 その一方で、卵のコレステロールが気になるという人もいるだろう。

「卵にはコレステロールが多く含まれますが、近年の研究では食品からコレステロールをとっても、血中コレステロールは上がらないことがわかっています。厚生労働省の『日本人の食事摂取基準』でも2015年以降、コレステロールの摂取上限は記されていません。

 それどころか近年では、コレステロール値が少し高い人のほうが低い人より寿命が長いこともわかっているので、ぜひ、卵を日々の食生活にプラスして、長生きする健康体を手に入れましょう

生涯元気に過ごせる10種の食材「あさはきた にぎやかだ」が合言葉

あ:油
さ:魚
は:発酵食品
き:きのこ
た:たまご
に:肉
ぎ:牛乳
や:野菜
か:海藻
だ:大豆

 合言葉であげた食品は全部で10品目。毎日の食事で、ご飯やパンなどの主食以外に「7品目食べる」を目標に。多く感じるかもしれないが、それほど難しくはありません。例えば納豆は発酵食品で、大豆なので、納豆を食べるだけで2品目とったことに。