「外国人旅行者には、宮島桟橋旅客ターミナルで、ピクトサインを用いて境内が禁煙であることをアナウンスしています。また、フェリーの乗降所から宮島桟橋へ向かう道中や、宮島桟橋出口付近にも喫煙所が1か所しかないことを掲示していますが、2025年には動画を使った呼びかけも開始する予定です。今後も、より幅広い層への周知徹底に向けての対策を行っていきます」(廿日市市産業部観光課担当者)

「宮島観光協会」HPでは、写真付きで喫煙所の場所が紹介されている(写真は廿日市市提供)
「宮島観光協会」HPでは、写真付きで喫煙所の場所が紹介されている(写真は廿日市市提供)
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自治体による喫煙所の整備が進む松本城と浅草寺周辺

松本城
松本城

 木造天守の火気厳禁を掲げている松本城では、2023年に本丸庭園の喫煙所を廃止し、松本城公園内の喫煙所は「公園北西隅」のみの1か所に。

「2019年に首里城やノートルダム大聖堂で火災が発生し、貴重な文化財が失われることになりました。かねてより防火と受動喫煙防止の観点から喫煙所の廃止については議論がありましたが、本丸庭園内での喫煙がなくなったことで、火災発生と来場者の受動喫煙リスクを減らすことができました」(松本市松本城管理課担当者)

松本城の喫煙所(松本市提供)
松本城の喫煙所(松本市提供)

 松本城では、2019年に約15万人だった外国人旅行者が、2024年には約20万人まで増えたが、こちらでも喫煙を巡る大きなトラブルは起きていないという。

「外国人旅行者から喫煙所の所在を質問されることもありますが、禁煙であることの理由をご理解いただくと同時に、喫煙所の表示をわかりやすくするなど、ホームページや園内掲示を工夫して取り組んでいきたいと思っています」(松本市松本城管理課担当者)

 対策の一つとして、本丸庭園内のトイレにピクトグラムによる禁煙表示を掲示。世界中から観光客が集まる場所だからこそ、どの言語の話者にも伝わる形で喫煙ルールを提示していくことが今後の課題となりそうだ。

 松本城のHPには松本城本丸庭園の喫煙所廃止のお知らせと、新たな喫煙所の案内が日本語と英語で表示されている。