今読むなら古本を探すしかないNo.1
1位『キャンディキャンディ』(水木杏子/いがらしゆみこ)。
'75年から'79年まで『なかよし』(講談社)で連載。単行本は全9巻で、累計発行部数は1200万部突破を記録している。
「キャンディが明るくパワフルで魅力的。ストーリーもドラマチックで引き込まれた」(神奈川県・40歳)、「キャンディの純粋さとアンソニーのカッコよさに憧れてた」(静岡県・57歳)、「ニールやイライザに意地悪されるキャンディを応援したくなった」(千葉県・56歳)と、66票獲得。
「キャンディのようなおてんばじゃじゃ馬キャラは'70年代の少女漫画に数多く登場します。そして女の子が自分の力で夢を叶え、そんな彼女を見守ってくれる男性がいる。これは『あしながおじさん』の時代から続く、ある種の憧れの形ですね」
と小田さん。
アニメもヒットし、人気に大きく拍車をかけた。しかし作者同士の関係がこじれ、現在では刊行はなし。
「白馬の王子様系であり、話としてはオーソドックスではあるけれど、世界観の作り込みがよくできていて、多くの少女たちのハートをつかみました。作品としてのクオリティーは高いと思います。
ただ、もう流通していないから、新しい読者はついていないはず。今読むなら古本を探すしかない。それでも1位になるということは、それだけ読者の印象に強く残っているということ」
ちなみに、6位以下には、6位『有閑倶楽部』(一条ゆかり)30票、7位『南くんの恋人』(内田春菊)27票、8位『はいからさんが通る』(大和和紀)23票、9位『エースをねらえ!』(山本鈴美香)14票、10位『王家の紋章』(細川智栄子あんど芙~みん)13票がランクイン。票が偏ることなく僅差のランキングとなった。
小田さんが分析する。
「子どものころに読んだ漫画の記憶って、純粋な作品の面白さもありつつ、自分の体験や読んだシチュエーションなどの思い出とセットになって記憶されていたりしますよね。みんなそれぞれ思い入れがあるだろうし、各自のベストがあるはず。自分のベストを大切にしてもらえたらと思います」
夢中で読んだ少女漫画の数々。今再び読み返し、あのときめきを思い出してみたい。
<取材・文/小野寺悦子>