目次
Page 1
ー 夢中で読んだ昭和の少女漫画ランキングTOP5
Page 2
ー 大接戦となったTOP3
Page 3
ー 今読むなら古本を探すしかないNo.1

 映画『ベルサイユのばら』が好調だ。公開30日間で観客動員数30万人、興行収入4・3億円突破とヒット。原作はフランス革命を舞台にした池田理代子の名作漫画で、連載スタートは今から50年以上前のこと。

「池田先生もそうですが、当時は作家たちが自ら少女漫画の新しいジャンルを切り開いていった。あのころのエネルギーはすごかったようですね」と言うのは、女子漫画研究家の小田真琴さん。振り返れば、名作・傑作漫画が次々誕生し、少女たちの心をつかんだ昭和の時代。そこで、昭和に少女時代を過ごした40代~70代の女性500人にアンケート。あのころ一番夢中で読んだ、昭和の少女漫画を教えてください!

夢中で読んだ昭和の少女漫画ランキングTOP5

2005年にテレビ朝日系にて上戸彩主演で連続ドラマ化された『アタックNo.1』
2005年にテレビ朝日系にて上戸彩主演で連続ドラマ化された『アタックNo.1』

 5位『アタックNo.1』(浦野千賀子)。

 1968年から'70年まで『週刊マーガレット』(集英社)で連載され、アニメやドラマも人気に。

 アンケートには「必殺技に夢中になった」(広島県・64歳)、「大げさな描写が面白かった」(兵庫県・72歳)、「スポ根漫画全盛期だった」(東京都・60歳)との声が集まり、33票獲得。

「'64年に東京オリンピックで日本の女子バレーが金メダルを取った。その流れの中で描かれた漫画で、大きな人気を集めました」と小田さん。スポ根漫画の金字塔で、バレーボールブームを生み出した。

「読者層は今の60代〜70代と昭和でも上の世代。荒唐無稽な特訓の様子などは今読むと思わず笑ってしまいますが、それを含めて十分に楽しめる作品です」(小田さん、以下同)

 4位は『ベルサイユのばら』(池田理代子)。

宝塚歌劇団による舞台化が大ヒットし、社会現象を巻き起こした『ベルサイユのばら』
宝塚歌劇団による舞台化が大ヒットし、社会現象を巻き起こした『ベルサイユのばら』

 '72年から'73年まで『週刊マーガレット』で連載され、今年1月に劇場版アニメが公開された。

「少女漫画なのに歴史ものという珍しい漫画だった」(千葉県・55歳)、「男装の麗人オスカルなど登場人物が魅力的。フランスが舞台だったり、美しいドレスなど、憧れる要素がたくさんありました」(京都府・65歳)、「マリー・アントワネットという実在するフランス王妃の一生が描かれ歴史の勉強にもなった」(兵庫県・66歳)と、51票獲得。

「当時、歴史ものは人気が出ないと編集部に嫌がられたけれど、池田先生はそこを押し切って大ヒットにつなげた。オスカル宛てのファンレターがものすごかったと聞いています」と小田さん。アンケートのコメントも、オスカル推しの声が圧倒的。フランス革命を背景にした独特の世界観を挙げる声も多くみられた。

「池田先生は革命を描かせたら日本一の漫画家です。でも連載当時フランスに行ったことがなく、想像で描いていたそうです。それがみんなの心に刻まれたのはすごい。男社会の中で女性が働くお話でもあって、そこが女性の社会進出の波とうまく重なったところもあった」