●「賭けてみるか。どん底から這い上がった男に」
第5話で杉良太郎が演じる『帝国』社長の藤間秀樹によるセリフ。無事、製品テストに合格した『佃製作所』のバルブシステム。燃焼試験でも見事に実験は成功したが、財前には最後の“壁”である藤間社長への説得が残っていた。
帝国の役員会で、特許が先を越されていたことから、重要部品の自社生産方針を覆し例外を認めてほしいと話すと、藤間は「ありえん。話というのは以上かね」と席を立つ。すると財前は「社長!」と大きな声で歩み寄り語り出す。
ほかの役員にも反対されるが、財前は「自分の手がけた部品でロケットを飛ばすことこそ、佃社長の夢だからです。バルブを制するものはロケットエンジンを制する。
佃氏は、そのことを知り尽くした男です。世界最高のバルブシステムです。ご承認していただけませんでしょうか」。目をつむり、しばし考えた藤間は佃のバルブシステムを採用する決心をしたのだった。