1月8日に天皇陛下が、自動車運転免許を更新された。宮内庁担当記者が今回の経緯を説明する。
「陛下は70歳以上のドライバーに義務づけられている、高齢者講習を皇居内で受けられました。
記憶力や判断力など認知機能を検査する適正検査(講習予備検査)を受けられ、その後、実技検査で皇居内の東御苑で実際に車を運転。
同乗した警視庁の担当者から指導をお受けになり、更新手続きは即日で完了したとのことです」
最近では、高齢者による自動車事故が増加し、なかには認知症の疑いがあるにもかかわらず、運転を続けているドライバーも多いという。
そこで、75歳以上の高齢者が運転免許を更新するときに「認知症の疑い」があった場合、医師の診断を義務化するという道路交通法の改正案が昨年6月に成立し、2年以内に施行されることになった。
「認知機能の検査には、3種類あります。検査時の年月日や曜日などを回答する検査。一定のイラストを記憶し、思い出す記憶力の検査などで、陛下も同様の検査をお受けになったと思われます」(同・記者)
現行の検査結果では、「心配なし」「少し低下」「低下」の3段階に分けられるが、それぞれに応じて実技講習が行われ、原則、免許は更新されることになっている。
「今回も陛下は、長年愛用している'91年式ホンダの『インテグラ』を運転し、講習を受けられました。
陛下は皇太子時代の1954年に免許を取得し、70歳を越えた'07年から3年ごとに高齢者講習を受けられてきましたが、年齢を考慮してか、今回が最後の更新となるそうです」(同・記者)
そんな陛下の“ハンドルさばき”を、ある宮内庁関係者が証言してくれた。
「皇居内のテニスコートで、プレーをしたお帰りのときだったようです。
年季の入った車の助手席に美智子さまがお座りで、後部座席にはお付きやSPが3人乗っていました。
皇居内なので、もちろん、一般の車や人はいないのですが、超がつくほどの安全運転だったのが、印象に残っています。時速は15~20キロくらいのかなり遅いスピードで、曲がり角のかなり前からウインカーをだされていました」