■取材後記「著者の素顔」
兵庫県の淡路島在住の湊さん。今作で描いた3人の女性それぞれに自分と重なる部分があるそう。
「私は結婚を機に淡路島に来たので、最初は光稀が一番自分に近いと思ったのですが、何年も住むうちに菜々子のような地元民の感覚も芽生えてきました。小説を書いているので、陶芸への情熱を他人に理解してもらえないすみれにも共感。私も“話のネタが出てこない”と家族に相談したら、“出ないなら書かなきゃいいじゃん”と言われて腹が立ったりするので(笑い)」
取材・文/塚田有香
撮影/竹内摩耶
〈著者プロフィール〉
みなと・かなえ 1973年、広島県生まれ。2007年、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞。受賞作を収録した『告白』でデビュー。同作で2009年本屋大賞を受賞。映画化もされて大ヒットを収める。ほかに『贖罪』『夜行観覧車』『絶唱』『リバース』など著書多数。