『真田丸』でもヤマ場のひとつとして視聴者から期待されていた“犬伏の別れ”のシーン。
「親子が敵味方に分かれなければならなくなった“犬伏の別れ”は、その設定を聞くだけで、切ないと思いますよね」
その期待に熱演で見事応えた、信幸を演じた大泉が撮影の舞台裏をこう語る。
「信幸はずっと父上に振り回されっぱなしで、大事なところでは蚊帳の外にされていました(笑)。なので、“犬伏の別れ”を描いた35話の台本を読んだときには、ついに来たっ! という感じがありました」
“私は決めたっ!!”と大声をあげ、3人が敵味方に分かれる策を提案。父・昌幸(草刈正雄)の言葉に従っていた信幸が、真田家の跡取りとして立ち上がった瞬間だった。
「信繁(堺雅人)に“豊臣が勝ったときは、お前はあらゆる手を使って俺を助けよ。そして徳川が勝ったならば、俺はどんな手を使ってでもお前と父上を助けてみせる”。僕自身が言ってて、すごくグッとくるセリフでした。
しかもここにきて、おばばさま(草笛光子)が亡くなる前に遺した“何があっても真田はひとつだ”という言葉が効いてくる。三谷(幸喜)さんの脚本はさすがだな、と」