婚活の落とし穴は男性からの騙し
さらに、3タイプの女性たちが共通して注意すべきことを記そう。
まず、身分確認の甘い婚活パーティーに参加する場合は細心の注意を払うこと。免許証や保険証の提示だけでは、男性が独身かどうかわからない。また、誰でも登録のできる婚活アプリでの出会いも同様だ。
こうした婚活場所には、既婚者、遊び目的、高額商品を買わせるデート商法目的の男性が紛れ込んでいることもある。そうした男性たちは、女性の扱いに手慣れているし、“結婚したい”という気持ちにつけこむことが巧みだ。
もちろん、婚活バーや婚活居酒屋などの出会いにも、そうした男性たちは紛れ込んでいるので注意をしなければならない。恋愛スイッチをオンにしながらも、男性を冷静に見極めていく目が必要だ。
今や割り勘をNGというような時代ではない
また結婚相手に、これまで理想とされてきたステレオタイプの男性像をあてはめないことも大事だ。
親の世代とは違い、今や女性も社会の中で男性と対等に肩を並べて働く時代である。結婚したら家事も子育ても分担。イクメンという言葉も生まれている。
しかし、その前段階の恋愛においては、仕事ができる男、リードできる男、奢る男が“モテる”という昔ながらの認識がまだ崩れていない。
非正規雇用者が拡大し、正規雇用者の年収がさして上がらないのが今の時代だ。デート代の負担をすべて相手に強いていたら、婚活市場に上がれる男性は極端に少なくなる。
結婚を永久就職と考え、仕事を辞めたい逃げ道にしていたら、その女性の人生を引き受けることのできる経済力のある男性は、ほんのひと握りになってしまう。
デートは割り勘、結婚後は女性も働くことが当たり前だととらえなければ、今の時代、結婚するのは難しい。
結婚難の現代に結婚できるのは、自身の年齢が婚活市場の中でどこに位置づけされているかをしっかりと把握していて、時代に合わせた柔軟な考え方ができる女性だ。
こうした女性たちは、男性と対峙したときに相手を減点法ではなく加点法で見ることができる。
「デートをしたら、店も決められない優柔不断な人だった」とはいわず、
「男性は優柔不断なくらいのほうが、結婚してから私が自由に家庭を仕切ることができていい」
「デートは居酒屋やチェーン店系列のお店ばかり。味覚が育っていない」とは考えず、「彼なら私が手抜き料理を作っても“おいしい”と言って食べてくれそう」
「まじめすぎて魅力がない」と切り捨てるのではなく、「彼のようなタイプなら浮気もしないし家庭も大事にしてくれるはず」などなど……。
もはや女性が賢くなって、未熟な男性を育ててこそ、結婚が現実のものとなるのだ。
“なぜ婚活しても結婚できないのか”と思っている女性たちは、今掲げている理想の結婚観を1度リセットして、今の時代に合った結婚観に書き換えてほしい。
最後に、「妥協してまで結婚したくない」と言っている女性たちに告ぐ。
「妥協」と「妥当」は違うのだ。さらに結婚は「選ぶこと」と「選ばれること」がイコールにならなければ成立しない、という単純なルールをもう1度心に刻んでほしい。
<プロフィール>
取材・文/鎌田れい
21歳よりティーンズ雑誌のライターとして活動を始める。鎌田絵里のペンネームで恋愛ライトノベルズを18冊、恋愛エッセイや婚活本の出版も。芸能人や文化人の記事や書籍も執筆。自身が婚期を逃し、必死の婚活の末、36歳で結婚。40歳で双子の母に。その経験を生かして、恋活・婚活ライターとして活動中。ミッションは、生涯未婚率の低下と少子化の歯止め。