不倫はやめたいのに抜け出せないテレビ局の受付嬢、愛人たちと仲よくなろうと画策する舞台女優、なぜ中年男と不倫をしているのかわからなくなっている若手女優、そして冷静な妻……。風を取り巻く女たちは、十人十色の個性派ぞろい。
「10人の女性が勢ぞろいするシーンは壮観でしたし、撮影中はたびたび爆笑や拍手が沸き起こる、まれにみる楽しい現場でした。編集の上がりのときにも、全員で拍手していましたね。こういう光景は僕も初めての経験でした」
女の壮絶バトルと“笑撃”のラスト
9人の愛人たちは、いがみ合い、罵り合い、殴り合い、女同士のバトルを繰り広げる。なかでも、古株の愛人・佳代役の水野美紀は、顔面にカフェオレ、焼酎、あんかけ焼きそばをかけられる派手なシーンも。
「水野さんは、どうやってかぶればいちばんおもしろいか、真剣に考えていたし、かける側の緊張感も半端じゃなかったと思います。佐藤仁美さんの液体をぶっかけるコントロールは唯一無二かと(笑)。それから、成海璃子さんや佐野ひなこさんがブレーンバスターや三角絞めに取り組む姿は美しかったです。この先も、驚きのバトルが登場します」
ドラマはいよいよ佳境に。風の殺害計画を立てた10人の女。第9話(11月24日放送)では、その計画が実行される―。
「10股不倫男がどんな末路にたどり着くのか、そして10人の女たちにどんな未来が待っているのか。最後まで笑って見ていただけたら、うれしいですね。小難しいメッセージは一切ありません。感じたとおりに受け取っていただければと思っています。
“深いなあ”“哲学的だなあ”でも、小バカにしながらでも、どちらでも。共感できなかったとしても、愛おしくなる女性たちと風の結末は、原作の映画を見た方にも驚いていただけるラストになっています」