念願のパパになれるとあって、三浦も幸せの絶頂に違いない。喜びの声を聞きたくて、12月初旬の夕方、三浦のマンションを訪れた。妻と一緒にタクシーで帰宅したところを直撃すると、
――『週刊女性』です。
「え、なんですか……?」
突然のことで驚いた様子。
――奧さまが妊娠されて、12月に出産されると伺ったんですが?
「…………」
困惑した表情になり、目を伏せると数秒間、沈黙してしまった。
「とりあえずマネージャーに連絡しますので……」
そう言うと妻を手招きして、彼女の身体をかばいながらエントランスの扉を開けてマンションに入っていった。喜びの声は聞けなかったが、奥様のお腹を見ればおめでたの印がハッキリと見てとれた。