いやいや、そんなことはない、と反論される方もいるでしょう。グラフ(男性の部分)を見れば、確かに1982年と2015年で彼女のいる割合に大きな差はないが、1992~2005年にかけてはずっと25%以上だった。それが一気に21%まで下降したのだから、それだけでも、最近になって若者が恋愛しなくなったと言っていいのではないのか、と。

 なるほど、それは確かにおっしゃる通りです。では、コホート別に見てみましょう。

 すると、多少のデコボコはあったにしても、どの年代の男性も、10代後半、20代前半、20代後半で、彼女がいる割合ほぼ変わりません。こと20代前半について言えば、どの年代もきれいに3割程度をキープしています。

 現在50代前半の男性は、それより若い人たちと比べて、確かに10代の頃と20代後半で「彼女がいた率」が高いようですが、対して20代前半では、他のどの年代よりも低くなっています。

バブル世代が実は最も草食だった!

 そして、40代後半の男性の方が、10代と20代後半で、最も「彼女がいた率」が低いようです。つまり、あえて言うのなら、ここ20年間で一番「草食」だったのは、現在40代後半のおじさんたちの方なんです。ちなみに、現在50代前半の人たちは「新人類世代」、40代後半の人たちは「バブル世代」と呼ばれた人たちです。

 マーケティングの世界では、生活者が消費する動機を探るために「世代論」が活用されてきました。「団塊世代」「新人類世代」「バブル世代」「氷河期世代」「プレッシャー世代」「ゆとり世代」など、生まれた年代の社会背景に応じて、共通の価値観から消費性向を捉えるというものです。

 確かに、同じ年代に生まれて、学校を出て、就職して、結婚して、親になるという一連の流れが共通だった時代はそれでよかったでしょう。しかし、今や平均初婚年齢が30歳を超え、単身世帯数が劇的に増加し、さらに、結婚せずに一生を終える生涯未婚の「ソロモン層」が増大する中で、同じ年代に生まれたというだけで簡単に一括りにはできません。