もじゃもじゃヘアにカラフルな男着物の袴姿がトレードマークの春風亭ぴっかり☆。春風亭小朝一門に入門後、二つ目に昇進するや、翌年の『NHK新人演芸大賞』で決勝に進出。また、『大人AKBオーディション』最終選考の選出でも話題になった、寄席のプリンセスと呼ばれる存在だ。
「師匠のようになりたいと言って弟子入りしたんで、落語以外でも大忙しです」
そもそも舞台女優を目指し、劇団の研究生だった彼女。小朝師匠の大ファンになり、次第に落語家に気持ちが傾いていったという。
「あるとき、劇団に“落語家になります。辞めます”と宣言して、アルバイトも全部辞めて小朝師匠のところに行ったんです。弟子は取らないと聞いていましたが、“明日から来て”と言ってくださって。とまどいながらも通い始めました」
現在、女性落語家は30人ほどいるが、当時は10人。楽屋は完全な男社会だ。
「食べるものも量も男性と同じ、それも早食いだから10キロくらい太りましたね。持つ荷物も一緒、化粧もしないし、女子更衣室もない。髪型も坊主頭にして、男着物を着てバタバタと走り回っていました」
修業時代は友人と一切連絡をとる暇もなく、唯一、女性の同期、三遊亭美るくと励まし合ってきた。
「朝から晩まで働き詰めで、夜中にスーパー銭湯で待ち合わせ。2人でシャンプーしながら愚痴を言い合い、“明日も頑張ろうね”と言い合って終電で帰るんです」