《ツイッターDMに届いたフジテレビ『Mr.サンデー』からの取材依頼、まず「中村様」と私の名前を間違え、ギャランティーの提示もありません。お断りします。こういういい加減な依頼に応じたら、山口真帆さんに申し訳ない》
5月17日、アイドル評論家の中森明夫氏がこの言葉とともに、自身のツイッターに届いたダイレクトメッセージを公開した。すると、彼のツイッター上には取材依頼を行ったAD(アシスタントディレクター)の行動に対して《名前を間違えるなんて失礼すぎる》《ダイレクトメッセージで取材依頼ってどうなの?》といった意見が次々と寄せられる事態に。
昨今、こうした“ありえないミス”は生放送のニュース番組でも続出している。
働き方改革の弊害
5月26日に放送された『サンデー・ジャポン』(TBS系)では、NGT48の一連の騒動を報じた際に、元メンバー・山口真帆のコメントが別人のものだったにもかかわらず、本人のものとして報道するミスが発生。
ほかにも、フジテレビが殺鼠剤を“殺ちゅう剤”とテロップ表記してしまうミスや、『Nスタ』(TBS系)で置物のフクロウを本物のミミズクとして報道したなんてことも。
これらのミスの背景には、番組制作に関わるADの質の低下が関係しているようなのだが、その実態とは─。
「電話応対ができない、敬語が使えないなんてザラです。業務の能力以前に、一般常識を知らない人が増えていることに不安はありますね」(制作会社関係者)
「メモをとらないADに怒ったことはあります。こちらが注意したことに対して“はい”とは言うんですが、すべて話し終わったあとに“じゃあ言ったことをもう1度話してみて”と言ったらまったく言えない。後々のことを考えて行動してほしいと思ってしまいます」(テレビ局関係者)
ADの質の低下には、2つの理由があるという。1つ目は昨今、導入され始めたテレビ局の働き方改革だ。
「今は働き方改革が取り入れられているので、長時間の拘束が難しくなっています。先輩たちの仕事を見る機会が少なくなってしまっているという点でも、育つのに時間がかかってしまうという問題はあると思います」(別のテレビ局関係者)
「働き方改革によって、作業が分担されるようになりました。それもあって、すべての作業の流れを見るということが難しくなったんです。今後は数年働いていても、番組がどういうふうに最後まで作られているのか知らないADもたくさん出てくると思いますよ」(別の制作会社関係者)