【小学校受験のお作法2.0】親子力を合わせ、厳しいお受験を乗り越えるためにも、先人たちのリアルな合格体験談はあらかじめしっかりと知っておきたいもの。しかし、幼児教室などで登壇する合格者の経験談は、幼児教室の先生たちのフィルターがかかった内容になりがち。実際にはいろいろな教室に行っていたのに「わが家は本当にこちらの教室のみでした」とコメントされることもあるそう。そこでここでは、お受験コンシェルジュ&戦略プランナーのいとうゆりこさんが、合格者のお母様たちにインタビューを実施。合格するまでの道のり、そして入学後の様子など“生”の声を伝えてくれます。あくまでもひとつの参考とされてみてくださいね。
■慶應義塾横浜初等部に合格した男の子の場合
今回は、年間の学費が国内でも最高峰といわれている(一部のインターナショナルスクールを除く)、慶應義塾横浜初等部に合格した男の子のお母様にお話を伺いました。
ご家族のスペック
・お父様:慶應義塾大学総合政策学部(SFC)卒業、大手メーカー勤務
・お母様:私立大卒、大手メーカー勤務
・お子様:都内の地元幼稚園を卒園
ーー通っていたお教室や準備していたお稽古を教えてください。
「子どもが小学校低学年までは、私も仕事先に時短勤務を申請していたので、5歳(年中)からは保育園ではなく幼稚園に通わせました。小学校受験の準備方法もわかりませんでしたし、そのタイミングでまずはとにかく近くの大手教室に入会し、幼稚園の延長保育を利用した後、お教室に連れて行っていました。
なので、学校別、総合ペーパー、絵画、体操などは、年中の4月からスタートしたことになります。
年長からは、そのお教室で知り合った方に誘っていただき、週に一度、個人の先生が開く横浜初等部対策の授業に通いました。初等部を受けるなら、慶應幼稚舎対策の授業も受けたほうがよいといわれましたが、結局、幼稚舎クラスは取りませんでした。
幼稚舎には、初等部で必要なペーパーはなく、そのかわりに絵画が追加されるだけのようでしたので、幼稚舎向けの特別な準備はしていません。
初等部は一次試験のペーパーを突破しないことにはどうしようもないので、家庭学習はペーパーを徹底的にやっていました。お教室の復習用テキスト以外にも、お受験塾『こぐま会』『理英会』などのテキストを購入し、お教室の進行に合わせ、幼稚園に行く前に毎朝30ページは親子で格闘していました。あとは、小学校受験のハウツー本はいろいろと読みあさりましたね」
――卒業生の“縁故”などは探したりしなかったのですか?
「主人も私も仕事で忙しく、お受験経験者の親御さんを探したりする時間はなかなかありませんでした。そうした方々のお話を伺う機会や、縁故のようなものがあれば、もう少し要領よく動けたかもしれません。
でも結果は、大手教室と個人の先生、そして家庭学習で何とかご縁をいただけました。主人のSFCに対する思いが息子にしっかり伝えられ、そしてそれを願書で学校に届けることができたのだと思います」