連日、熱い戦いが繰り広げられているパリ五輪。その一方で、選手らが大会期間中に生活する選手村については冷ややかな声が続出している。
「パリ五輪は“史上最も環境にやさしい大会”をうたっています。そのため、各部屋にエアコンが未設置。酷暑対策として、日本やアメリカ、イギリスなどは実費で簡易エアコンを配備しました。また、移動のバスにもエアコンがなく、“サウナだ”と苦情を言う選手もいます。韓国の競泳選手6人は選手村を離れて会場近くのホテルに移動しました」(スポーツ紙記者、以下同)
身体が資本のアスリートにとっては死活問題
一方で、ラグビー7人制男子の日本代表選手が選手村で結婚指輪やネックレス、現金など合計3000ユーロ(約50万円)相当が盗まれる事件が発生。
オーストラリアのホッケーチームのコーチも、開会式前日に部屋からクレジットカードを盗まれ、900ユーロ(約15万円)を不正利用されるという被害も発生した。
選手にとって、あまりいい環境とは言えない状況のパリ選手村。食事に関しても不満の声が多数上がっているようで……。
「ドイツ代表の選手から“控えめに言って食事のレベルは最悪”と言われてしまうほど。混雑する時間帯では、待ち時間が多く、座席数が少ないため席に座るのもひと苦労のよう。大会組織委員会が、今大会の目標として、野菜を2倍提供することを掲げている影響で、肉類や卵料理が不足することもあり、“選手が求めるメニューや量ではない”と批判されています。身体が資本のアスリートにとっては死活問題です」
パリ五輪の“惨事”に、選手の中には前回大会である東京五輪を懐かしむ人も出てきている。
「東京五輪では3000席のメインダイニングが用意され、日本食ほか、世界各国の料理など、700種類ほどが24時間提供されました。餃子やカレー、おにぎり、寿司、お好み焼きなどが人気。SNSに料理を絶賛する動画をアップする選手もいました。イギリス代表選手は、そんな東京五輪と今回のパリ五輪を比較して“パリの食事は前回大会よりも格段に悪い”と不満を漏らしていました。大会組織委員会は選手からの要望を受け、改善に励んではいるようです」
イギリスは選手村とは別にあるパフォーマンスロッジに自国のシェフを呼び、食事の提供を開始。多くのイギリス代表選手がそこで食べることを選んでいるという。
世界三大料理にも数えられ、“美食の国”と呼ばれるフランス。一方でイギリスの料理は“イマイチ”と言われてしまうこともしばしば。
そんなイギリスがフランスに自国のシェフを連れてきたということで、ネット上では、
《イギリス人が自国のシェフ連れてくるレベル》
と皮肉を込めて批判される事態になっている。
環境に配慮するのはいいが、主役であるアスリートにもっと気を配ってほしい。