これは「言葉によって人生は即座に変わる」という苫米地理論をもとに、現代人を脳の妄想である「悩み」から解放。自分の「能力」の引き出し方がわかる内容だという。そこで苫米地先生に詳しく話を伺った。
「私はいつも言っているのですが、私たちの世界は言語でできています。例えば、私たちは信号が赤になると止まります。しかし、それは赤だから止まるのではなく、道路交通法を理解しているからです。赤信号の背景として道交法があり、共同体の一員としての責任があるから止まります。赤信号はルールの象徴であって、ルールとは言葉で作られています。だから、私は、この世界は言葉で作られているというのです」
それは抽象的な概念だけでなく、物質にも当てはまるという。
「その証拠に私たちは、イスを見たら座ります。決してその上に立ったり、イスをテーブルがわりにしてご飯を食べたりしません。する人もいますが、それはお行儀が悪い、ルール違反だと誰もが認識します。つまり、イスという物体に対しても、私たちは無意識のうちに言葉による定義を行っているのです」
苫米地先生は、目の前にあるモノすべてに言葉による定義づけとルールを設定。それを忠実に運用しているそうだ。
「“こんな場合はこうしなければいけない”“これはこうやって使うモノ”“これはこういうふうに考えることが正しいこと”“幸せとはこういうこと”などを瞬間的に、なおかつ無意識に判断していたのです。これが私たちを取り巻く世界の正体です。物体も概念もすべて、私たちは“言葉”によって構築していたのです」
世界を変えるためには、“言葉”を使わなければできないと語る。
「それも強力な言葉が必要です。これまであなたが学んできたルール、法律、正しいと判断してきたもの、間違っていると断じてきたもの、そういったものを構築している“言葉”に疑問を投げかけ、場合によっては壊さなければいけないからです。そのためには、いわゆる偉人たちの名言では工夫が必要です。そのままでは旧世界の価値観やルールを肯定してしまうことにもなりかねません」
今、幸せではないとなんとなく感じているのは、新しい強力な言葉が足りないからだと言う。
「本書は、そのための強力な言葉、つまり、“すごい私になれる魔法の名言”を詰め込んであります。今を変えたいと思ったら、どこでもいいからページを開いてみてください。必ず、強力な言葉があなたの世界をよりよい方向に、変えてくれる力を与えてくれるでしょう」