目はむき出しの臓器! 紫外線、スマホは目の天敵!?
■夏は保護メガネやサングラスは必須
機能が衰え始めて、ようやく目の大切さに気づく人は多い。健康診断で、血圧や血液検査の結果は気になっても、目は気にならないという人もいるのでは?
ところが目は、ほかよりも注意しなければならない理由がある。
「脳は頭蓋骨に、心臓は肋骨に守られていますが、目はむき出しの臓器。あまりにも無防備なのです」
ものが見える仕組みは、目に入ってきた光が網膜で電気信号に変わり、脳に伝達され、脳が過去の情報と照らし合わせて「ものが見える」というメカニズムだ。目が骨や皮膚に守られていると光が入ってこなくなり、機能が果たせない。そのため目は“むき出しの臓器”になっているのだ。
「だから直接の刺激はもちろん、さまざまなダメージを受けやすい。白内障は世界で失明原因の1位といいましたが、欧米に限れば加齢黄斑変性が多く、紫外線と関係性が高いとされています。夏場などは特に強い紫外線から守るようにしましょう。予防効果がある栄養素のサプリメントも大事ですが、まずはしっかりと保護メガネやサングラスで防御を」
日本ではサングラスはファッションアイテムのイメージが強く、使うのに抵抗がある人もいるが、「とんでもない」と深作先生。
「紫外線は白内障、翼状片(よくじょうへん/白目を覆う結膜が黒目に入り込んでくる病気)、瞼裂斑(けんれつはん/白目の上にできる斑点、隆起)などの原因にもなっています。サングラスは目を守るための必需品として考えましょう」
また最近では、身近で使われるようになったスマートフォンやパソコンから出るLED由来のブルーライトが問題になっている。
「“歩きスマホ”をするなど“スマホ中毒”といわれる若い世代には今後、網膜の障害がどんどん増えていくでしょうね」
※詳しくは、本日15時に公開する記事を参考に、紫外線やブルーライトの対策を。
■正しい知識とケア、治療で目を大切に
「20代から始まる目の老化は40代でさらに進み、70~80代になれば程度の差こそあれ、ほとんどの人が眼病にかかっている状態に。子どもや孫の世代であっても、突発的な外傷による網膜剥離は起こりうる。家族に目配りをしなければならない週女読者にとって目の病気は常に他人事ではないのです」
味覚、嗅覚など人間が認識する情報の中で、視覚は約9割を占めているといわれている。
「つまり人間が受けとる全情報量の9割は目という臓器から入ってくる。せっかく長寿国に生まれたのに、正しいケアや治療を行わないことで苦労や失望を味わっている方が多いのは大変残念なこと。長く“よい目で生きる”ために、まずは正しい情報を得るように心がけてください」