3週間前予約でお得旅をゲット!

 予算以上に満足できる「コスパのよい旅」を実現するには、どうしたらよいのか。前出・村田さんがオススメするのは、『ダイナミックパッケージ』の利用。飛行機(※一部列車)と宿泊を組み合わせて自分で作る旅行商品のことだ。前出の村田さんは、

「普通のパッケージツアーに比べ自由な旅程を組めるうえに、料金が空席や空室の状況で変動するため、組み合わせや予約時期を工夫することで、より安く手配をできる点が魅力。同じ出発日でも、飛行機が1時間違えば1万円の差が出ることもあります。楽天やじゃらんなど旅行検索サイト、JALやANAのホームページ、JRは『えきねっと』から予約できます」

 うまくいけば、往復のチケット代に宿泊がセットでも、格安の往復チケット代より安いこともざらにあるという。

「飛行機に安く乗ろうとするとき、予約時期が早いほど安くなる『早割』が思い浮かびますよね。ダイナミックパッケージは比較的、間際でもお得に予約でき、狙い目は出発の3週間前。これは国内ツアーのキャンセル料が発生するタイミングで、需要がある程度はっきりします。空席が多い便は、予約を埋めるため、価格がグンと安くなると思われます」(村田さん)

 例えば、「今週末、急に休みが取れた!」なんて場合には、さらに奥の手が。

旅行比較サイト・トラベルコの『ファイナルコール』をチェックしてみましょう。日にち限定ですが、各旅行会社が在庫をさばき切るための激安パックが放出される日もあるので、見逃さないで」

 さっそくチェックしてみると、東京─京都の往復新幹線代にホテル宿泊費込みで2万円を切るなど、お値打ちプランがズラリ。コスパ旅を狙うなら利用しない手はないだろう。

移動手段自体を楽しむ旅も◎

 今からでも狙い目の夏旅プランとして、中高年に根強い人気のバスツアーはどうか? “安くて手軽”なイメージだったが、度重なる事故を経て、最近はバス会社も乗客も安全意識が変わってきた、と村田さん。

「規制が強化され、安全担保にコストがかかるので、バス会社もこれまでの格安プランでやっていくのは厳しくなりました。そこで価格以外のサービスを追求する方向に舵をきっています。魅力ある内容にするほか、ラグジュアリーバスにも力を入れています。

 格安ではないものの、足元ゆったり、座席が独立、映画鑑賞やゲームができる液晶付き、化粧室完備など、ストレスを感じることなく過ごせるものが増え、バス旅のイメージがぐっと変わってきています

 安全性を見極めるには、

「日本バス協会が’11年に始めたセーフティバスマーク(貸切バス事業者安全性評価認定制度)の有無が、ひとつの目安となります。貸切バス会社の安全への取り組みを評価し認定・公表するものなので、このマークのステッカーが貼ってある事業者から選ぶのが安心

 バスツアーは飛行機などと比べ、前日まで予約できたり、日帰りコースも豊富だったりと駆け込みにバッチリ。

 一方で、渋滞にあう心配がなく、ゆったりと流れる時間や風景を味わえる鉄道の旅も捨てがたい。

 村田さんは、「サプライズな体験ができる、観光列車はどうですか?」と提案する。

最近は移動時間を楽しむのもトレンドのひとつ。全国各地で趣向を凝らした観光列車が次々に運行し、注目されています。内装や外装に凝ったもの、ご当地の食や文化に触れられるもの、運転席が見渡せる電車好きにはたまらないものなど、いろいろな列車がありますよ。一流シェフの料理つきなど、それなりのお値段がするものもある一方、乗車券にプラス300円程度、なかには乗車券のみで乗れる列車も多いんです」