「逮捕なんて本当にビックリです。すごくフレンドリーな先生で、授業でわからないことを質問すると丁寧に教えてくれた。でも、私が先生をかばうような話をすると、母は“先生がそんなことしていいのかな”と言って、悪いことは悪いと教えてくれました」(初声中の2年生女子)
大麻のきっかけは何だったのか。容疑者が両親と暮らす自宅を訪ねた。横須賀市内のマンションの一室。インターホンで取材を申し込むと、母親とみられる女性が「少々お待ちください」と冷静な声色で答えた後、親族と名乗る男性が出てきた。
「なぜ、こんなことになってしまったのか……ですか。私もわからないというのが本当のところです。ただ、仕事で朝早くに家を出て、やりすぎってくらい頑張っていたと思います。それでストレスを発散したかったのかもしれないですが、まあ実際のところはわからないんですよ」
─もともと英語教師になりたかったのですか。
「そうです。以前から学校の先生を目指していました。大学時代にはオーストラリアのタスマニア島に5週間の短期留学をしたこともあります」
─変わった言動などはありませんでしたか。
「大麻を持っていたのは事実です。しかし、実際に使ったかどうかは検査してみないとわかりません。変な言動とか行動は、私は見ていないです」
─今後どうしますか。
「週に1回面会し、一生懸命反省して社会生活に復帰するために努力し続けないといけない、と諭すつもりです。タバコもやめさせます」
初老とみられる男性は取材中、終始ボールペンを片手でこねくり回し、必死に動揺を抑えている様子だった。
学校側は、生徒や保護者に事件をどう説明したのか。
初声中の校長は、
「まず8月25日に保護者会を開いて説明しました。生徒には(始業式の)31日、朝の集会で伝えました。それ以上のことは私からは話せません」
生徒らによると、校長は全校集会で「悲しいことが起きました」と切り出し、事件の詳細は語らなかったという。
「生徒や保護者から評判のよかった先生です。保護者会では“子どもたちの不利益にならないように学校は取り組んでほしい”と要望されました」(市教委・学校教育課)
薬物から目をそむけず怖さを教える機会にしたい。