持続する頭痛と吐き気は危険!
頭痛は約350種類もあり、大きく2つに分類される。
「ひとつは、片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛など、頭痛そのものが病気の『一次性頭痛』。もうひとつは、くも膜下出血や脳腫瘍などほかの病気によって頭痛が現れる『二次性頭痛』。前述の薬物乱用による頭痛も二次性に入ります」(丹羽先生、以下同)
頭痛の8割以上は、一次性。
「中でも最も多い緊張型頭痛の特徴は、後頭部を中心に重苦しい鈍い痛みや、頭全体を締めつけられるような痛みが続きます。
肩こり頭痛ともいわれ、肩や首、頭の筋肉が緊張することで起こります」
片頭痛はズキンズキンと脈打つような強い痛みを感じるのが一般的な特徴。
「脳内の血管が広がり、血管に絡みつく三叉神経が刺激を受けることで痛みが起こる。リラックスすると血管は拡張します。そのため、週末にストレスから解放されたり、寝だめしたりしたときに片頭痛が襲ってくることがよくあります」
激痛の発作が数週間にわたって繰り返される群発頭痛も血管が広がることで起こる。
「目の奥の頸動脈に炎症が起きるのが原因と考えられ、激しい痛みに襲われます」
また、第四の頭痛と呼ばれるのが、大後頭神経痛。
「今回は紹介しておりませんが、一次性頭痛にあたるものです。後頭部にピリピリッとした痛みが走るのが特徴で、周期的に繰り返されます。これも気圧の変化に影響され、今の季節に症状が出やすい頭痛です」
脳内の出血や腫瘍などによる危険な二次性頭痛は、どう見極めるのか?
「これまで頭痛と無縁だったのに50代以降に急に痛みだしたという場合、くも膜下出血などの疑いが。頭痛や吐き気が持続するのも危険」
また、一次性頭痛も軽視してはいけない。ひどくなると仕事や家事が滞り、日常生活に支障をきたす。
「だからこそ間違った自己診断で間違った対処をしないこと。ここで紹介した症状は主なもので、違う症状が出る場合もあります。頭痛もちと自覚する人は、1度は頭痛指導医か専門医がいる病院で診てもらうことをおすすめします」
なお、わざわざ病院へ行くほどでもない一時的な頭痛の場合は市販薬でもよいという。
「市販薬はお腹にやさしく、早く効くので、たまに飲むのはOKです。ただし月に10日以上、服用しないこと」