是非オススメしていきたいので、早速、論文の紹介です。
2017年5月、「Heart」というイギリスの論文雑誌で、「チョコレートの摂取と心房細動のリスク(原題:Chocolate intake and risk of clinically apparent atrial fibrillation: the Danish Diet, Cancer, and Health Study)」という研究が発表されました。
研究の結果についてご説明する前に、まず「心房細動」について解説しておきます。
※「心房細動」とは
不整脈の1つで、動悸症状や、場合によっては心不全を起こしたり、また、脳梗塞発症のリスク因子となる病気です。
心房細動は、加齢とともに有病率(病気を持つ人の割合)が増加します。米国のある報告では80歳以上では人口の10%が心房細動を持っていましたし、下記の4つの報告をまとめたグラフにおいても、どれも年齢に応じて有病率が上がっているのが見てとれます。
日本でのある調査でも、2003年の有病率は 70 歳代で男性 3.44 %、女性 1.12 %、80 歳以上では男性4.43 %、女性2.19 %でした(日本循環器学会疫学調査)。高齢化社会においてこの病気は増えていくだろうと言われており、2050年には約103万人が心房細動を有しているという予測もあります。
人生100年時代、健康に長生きできる未来を想定した場合、10〜20人に1人はかかる病気を無視できません。加えて脳梗塞のリスク因子にもなるとなれば、非医療従事者でも知っておいてよい病気といえます。
(日本不整脈心電学会と日本脳卒中協会も共同で啓発活動を行っています。ご興味あればご参照下さい。https://www.facebook.com/shinbousaidoushuukan/ )
さて、本題です。研究対象はデンマークに居住する50〜64歳の55,502人。チョコレートの摂取量を調査し、その後13年以上を追跡したところ、3,346人に「心房細動」が発生しました。