韓国ドラマを見て、夜には大好きな焼酎を飲んでいたという美しい啓世さんだったが、
「昔は女優といってもおかしくないような感じやったけど、仕事をせんくなって年相応に変わっていった」
そう話す夫婦と同じ階に住む60代の女性。前出の70代の女性は、
「啓世さんは、何度も同じようなことを話すことがあった。お姉さんがすでに亡くなっているんだけど、“お姉さんが亡くなったんや”と話したと思ったら、10分後にはまた“お姉さんが亡くなったんや”と。症状がないときもあるから、まだ初期の段階やったんやろうけどな……」
最近は、パジャマ姿のまま外出する姿が何度も、近所の住民に目撃されていた。
スーパーでもパジャマ姿で買い物をしていたという。
「旦那さんは車の中で待っていて、奥さんがひとりで、買い物をしていました。以前は、身なりもしっかりされている方だったのに……」(従業員)
子どもに重荷は背負わせられない
すっかり変わってしまった妻を、ただ見守る仲子容疑者。
前出の40代の女性は、
「奥さんは本当にチャキチャキした人だったから、ご主人も変わっていく姿を見るのがつらかったのだと思います。大腸がんが再発し、自分が死んだら奥さんの面倒を子どもにみてもらわなければいけない。ご主人も苦しかったんでしょうね」
と心情を酌み取る。
前出の70代の女性は、「昔は苦労したみたいだけど、最近は体調をのぞけば本当に穏やかで、年金も夫婦で20万円ほどもらっていたはず。孫を可愛がり、娘が来ると孫のために“7000円もする高いお肉を買って渡した”って話したりしてましたよ」と恵まれた暮らしぶりを明かし、
「今年1月には、子どもや孫らと国民宿舎に遊びに行ったそうです。お正月は毎年、家族が集まってワイワイやっちょった。仲のいい家族で、旦那さんは12月頭には正月の食材をそろえたりしてね。
子どもや孫を本当に大事にしとった。だから余計に、子どもに(介護の)重荷を背負わせたくなかったのだろうね」
夫婦がいなくなった自宅の玄関前には傘が2本。ベランダにはタオルなどの洗濯物が干されたままで、夫は妻の遺体と最後のドライブに出かけた。
どこへ向かっていたのか、そして、その目的は? すべては裁判で明かされる。