アルツハイマーは食事で防げる?しかもやせる?

 これはホント。米シカゴ・ラッシュ大学の研究によれば、独自に考案した『MINDダイエット』を実行した人の53%でアルツハイマー型認知症の発症リスクが低下、認知機能は7・5年も若返ったという。

 気になる中身は、全粒穀物を少なくとも1日3回、緑色野菜とそれ以外の野菜を1日1回は食べる。間食にナッツをほぼ毎日取り入れるなど。これなら簡単!?

「認知機能を改善させるには、運動と頭の体操を組み合わせるのがベスト。例えば、歩きながら頭のなかで計算をする。認知症予備軍と言われる人たちの半数近くで認知機能が回復したというデータもあるほどです。

 それにプラスして、MINDダイエットのような食事を取り入れると、相乗効果が期待できるのではないかと思います」(植田先生)

長生きしたい?それなら粗食がいちばん!

 これはウソ。一般的に、肉を食べることで心配されるのはコレステロールの増加。ところが、血中のコレステロール値が高いほうが肺炎やがんになりにくく、死亡率も低いことが明らかに。日本やフィンランドの研究調査で報告されている。

「100歳以上のお年寄りを意味する“百寿者”の研究でも、長生きしている高齢者ほど肉などのタンパク質をしっかり食べて、量も十分にとっていることがわかっています。

 そこで、いま私が提唱しているのは、欧米風の和食。純和食では塩分が高めだったり、タンパク質が不足してしまったりするので、肉や分厚い魚を足すなど補うと◎。食事量も増えて、そこそこ脂肪分もとれます」(植田先生)


〈お話を伺ったのはこの方〉
植田美津恵先生

医学博士、医学ジャーナリスト。愛知医科大学客員教授、東京通信大学准教授。各大学にて教壇に立つほか、医学番組の監修、テレビコメンテーター、講演活動を行う。近著に『忍者ダイエット』(サンドランチ)