仕事に家庭に…悩み多き人ほど太りやすい?

 悩みがあると、食欲がなくなりそうなものだけど?

「ホントです。不安が多いと太るという研究報告があります」(植田先生、以下同)

 ペルーの応用化学大学の研究によると、平均年齢49・7歳の女性を対象にした調査で、ウエストが太いグループは不安を抱えている可能性が全般に高かった。特に最もウエストが太いグループで、不安の兆候を示す傾向がより高かったという。

 神経の保護作用がある女性ホルモン・エストロゲンが低下して不安が増すのでは、と研究者は語っている。

「更年期から閉経にかけてエストロゲンが減少するミドル世代は、代謝が悪くなって、ただでさえ太りやすくなる時期。悩みや不安はなるべく解消しておいたほうがよさそうです」

ダイエット中は腹八分目がベスト?

「それはウソ。腹八分目を心がけるだけではやせません。何を食べるかが問題。ジャンクフードばかり腹八分目に食べても、意味がないということです

 と植田先生。控えめに食べることよりも健康的な食品を選択するほうが、結果的に摂取カロリーが低くなり減量に役立つと、米ペンシルベニア州立大の研究で明らかに。

 健康的な食事のトレーニングを受けたグループは、同じ量を食べても、そうでないグループと比べて総摂取カロリーが少なかったという。

 また、ガーリックブレッドなど高カロリーな食品で食べる量を抑えても、空腹を感じて逆効果だったとか。

「質のいいものを選んで少しずつ食べるのが◎。健康的な食品を選ぶ習慣をつけるといいですね」


〈お話を伺ったのはこの2人〉
植田美津恵先生

医学博士、医学ジャーナリスト。愛知医科大学客員教授、東京通信大学准教授。各大学にて教壇に立つほか、医学番組の監修、テレビコメンテーター、講演活動を行う。近著に『忍者ダイエット』(サンドランチ)

小川 徹先生
皮膚科専門医。早稲田大学招聘研究員。元慶應義塾大学研究員。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校、英ロンドン大学セントトーマス病院などで国際的に活躍中。医学博士のほかMBA、公共政策の修士号を持つ