健康オタクが陥りがちな罠とは?

 オルトレキシアの方は不健康食に特に目を引きやすく、たとえば「○○が、がんのリスクを高める」という情報を見ると、その「○○」を自分の食べるものから極度に排除してしまいます。

 健康オタクと言われる方にもこれは起こりやすい状態です。

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 「食べない方がいい」 が「食べてはいけない」という強迫観念に陥ってしまうのです。このような悩みを持っている方は私のお客様にもいて、すべての食べ物の判断基準を私へ求めてきます。自分では食べ物が選べなくなってしまうからです。

 アメリカの精神疾患のマニュアルには載っていないため、世界的なレベルで摂食障害とは認められていない存在ですが、全米摂食障害協会ではその危険性が述べられています。つまり、それだけこの症状に悩む人が増えてきたということです。

「じっくりと味わう」ことが大切

 では、これらの問題をどう取り除けばいいのでしょうか? 明確な治療が確立されていないので明言することはできませんが、食べ物の質が心に抑圧をかけている状態なので、最終的な到着地点として、

「健康的と言われていないものでも食べていいんだよ」

 と自分に許可を与えてあげることだと私は思います。自分の中ででき上がっている正解・不正解を取り除くことを行わなければなりません。

 しかし、考えてほしいのです。あなたにはすでに自分を危険な食べ物から守るチカラが備わっていることを。私たちは赤ちゃんの頃、すべての危険を口に入れて舌で確認していました。それがいつの間にか、頭ばかりが賢くなり、自分の舌での判断を忘れてしまっているのです。

 あなたの舌にはきちんとあなたの体に良くないものを見分ける力が備わっています。巷で得た知識ばかりに振り回され、「あれは食べちゃいけない」「これも食べられない」となんでもかんでも遠ざけ、結果的に栄養バランスが崩れるような事態に陥っていませんか?

 どんなに健康食と言われるものでばかり食べていても、1日中食べ物のことで振り回される状態は健康とは言えません。

 それが分かっててもできないから苦しんでいる、というのもわかります。

 でも、大丈夫です。必ず落ち着きますので、「舌と会話するように1回1回の食事をじっくりと味わう」ことから始めていきましょう。