◎50歳を過ぎて、親知らずが痛くなりました。抜いたほうがいいですか?
(51歳 会社員)

「親知らずは10~20代で抜くものと思うなら、それは間違い。年齢に関係なく、いつも腫れるようなであれば抜いたほうがいいです。60~70代の健康な人なら抜くことがありますし、40~50代でも問題ありません。抜いてしまいましょう」

 と遠山先生。例えば、親知らずがぐきの中にすっぽりと埋まっている場合は、無理に抜かなくてもいいそうだが、

「少しでもぐきの外に出てきたら、抜いたほうがいい場合もあります。菌だらけの口の中で親知らずが少しでもさらされると、虫周病を起こし、炎症や痛みが生じることもあります。

 また、親知らずが横向きやななめに生えていたりすると、隣にあるの根っこに力が加わり、炎症が起こることも。この場合も抜いたほうがいいでしょう」(遠山先生)

「40~50代になると、周病が進行してぐきがやせ、隠れていた親知らずが出てくることも。それに気づかず、炎症が起きて痛みが出てから抜く人もいます。40~50代になったら周病予防のためにも、定期的に科医師によるのチェックが必要です」(若林先生)

◎40代半ばごろから口が乾くようになりました。虫周病にもかかわりがありますか?
(49歳 パート主婦)

「40~50代は女性ホルモンの低下で唾液が減り、ドライマウスになりやすくなります。抗菌成分を含む唾液が少なくなると食べカスや垢が洗い流せなくなり、菌が繁殖して、周病のリスクが高くなります。

 また、加齢とともに咬筋といわれるかむ筋肉が発達し、耳下腺や顎下腺を圧迫して、唾液が出にくくなる。ボトックスで咬筋をやわらげる治療法がありますが、科ではまだ少なく、美容整形の分野になります。

 忙しい現代人は筋肉が緊張しやすいので、日ごろからリラックスを心がけ、咬筋をゆるめるようにするといいでしょう」(遠山先生)


【この3人に伺いました】
若林健史先生
科医。若林科医院院長。長年、周病治療に従事し、つねに最新の治療を行う第一人者。日本周病学会理事、日本周病学会専門医・指導医、日本臨床周病学会副理事長

坂本紗有見先生
矯正科医。銀座並木通りさゆみ矯正科クリニック院長、日本矯正科学会認定医。30年近く矯正一筋のプロ中のプロ。ていねいで熟練した腕前の治療が好評。

遠山敏成先生
科医。マイスター春日科クリニック院長。「日本顎咬合学会学術大会」において優秀発表賞を受賞。最新技術を取り入れた治療が好評。