母が駆け込んだお寺
井上さんの言葉が長友を変えた。徐々にエースとしての自覚が芽生え、中学3年生になるとチームをU─15全日本ユース選手権の県3位にまで牽引した。
高校は名門の東福岡高校に進学。親元を離れた長友だったが、母のりえさんがそんな息子の力になるべく藁にもすがる思いで駆け込んだのが、“ご祈祷で願いが叶う”と評判だった愛媛県今治市にある『えんぎ観音乗禅寺』。住職の越智瑞啓さんは言う。
「佑都くんがレギュラーからはずされた日があって、それを悩んでいたお母さんから拝んでほしいというお話がありました。それでご祈祷したところ、翌日にレギュラー復帰が叶ったんです」
それ以来、りえさんは乗禅寺にしばしば祈祷しに行くようになったという。
「彼がFC東京に在籍していたころだったと思います。24歳、男の厄年だったので、彼が初めてうちの寺に祈りに来てくれました。するとその1週間後に、イタリアのクラブ・ACチェゼーナへの移籍が決まったんです」
寺を訪れるたびに、物事はいい方向に向かっていった。
「サッカーではなく、恋愛の相談に来たこともありましたよ。今の奥さん(平愛梨)もまだ結婚前なのに連れてきてくれて。でも、写真は絶対ダメって言われました。間違って世の中に流れたら大変だからって(笑)」
フィールド外でのそつないプレーはさすが!