こだわりの商品名編
【日清焼そばU.F.O.(日清食品)】
発売は1976年。“焼きそばは皿で食べるもの”という日本人の食習慣になじむよう、カップ麺で皿型容器を初めて採用した。
「企画会議で丸いプラスチックのフタを何気なく投げてみたところ、空飛ぶ円盤にそっくりだったことから、その場で『U.F.O.』という名前に決まったそうです」(広報・松尾知直さん)
若者を中心に、この商品名が大ウケ。ちなみに、U=うまい、F=太い、O=大きい、の頭文字でもあるそう。
【正露丸(大幸薬品)】
「『正露丸』の主成分・木クレオソートの原料“木タール”は古代エジプトでも使用されていました。日本でも、明治時代には軍薬として森鴎外らによって活用されていました」(広報・中島杏子さん)
日露戦争の2年前となる1902年、薬商・中島佐一薬房が木クレオソートを主成分とする丸剤に『忠勇征露丸』と名づけ、販売許可を大阪府にもらう。『征露丸』は日露戦争時に日本軍の常備薬としても使用されていたという。
1946年、大幸薬品が『忠勇征露丸』の製造・販売権を継承。その後、国際関係を配慮し、“ロシアを征する”という意味を示す“征”から“正”へと漢字を変更した。
【フリクション(パイロットコーポレーション)】
書いても消せるボールペン『フリクション(FRIXION)』。特殊なインクを採用し、こすった摩擦熱によってインクが透明になる仕組みだ。
「ですので、摩擦を意味する英語“friction”に由来しています。Xを入れることで革新性や力強さを表現しています」(広報・田中万理さん)
命名にあたり、同社では欧州各国の代表が集まる会議でネーミング案を出し合ったそう。
「第1候補のFRIXIONが、晴れて日本の本社で採用されました」