もちろん、ふざけていません
『熱さまシート』『なめらかかと』『髪の毛集めてポイ』『チン!してふくだけ』『トイレ洗浄中』……。独自のネーミングセンスでトイレタリー分野を独走している小林製薬。あの〜、ふざけているわけではないですよね?
「もちろん、ふざけていません。“ダジャレっぽいね”と言われることは多いですね」
笑顔で答えてくれたのは、広報・IR部の鄭利花さんだ。
「ネーミングを考えているのは、それぞれのブランドの開発担当者です。まずは候補名を100〜200個くらい考えます。会議を重ねながら精査し、最終的には社長同席の会議で決まります」
“これ、完全にダジャレじゃん”なんて発言をしようものなら、怒られてしまうとか。
「会議はなごやかながらも、真剣そのもの。本社が大阪なので、大阪のノリはやっぱりありますね(笑)。でも、ウケ狙いだけではダメなんです」
でも、どうしてこれほどまでに独特な商品名をつけているのか?
「そもそも小林製薬のビジネスモデルは“小さな池の、大きな魚を狙う”なんです。例えば、シャンプー業界にウチが参入しても、絶対に売り上げは取れない。もっと大きな企業さんが、すでに取り組みをされていますから。ウチは、まだみんなが手がけていない“すきま”を見つけ、切り開いていくスタイルなんです」
確かに、使用後のトイレのにおいを消す『トイレその後に』、鼻うがい用の『ハナノア』など、従来にはなかった商品でヒットを飛ばしている。
「お客様にとって初めてとなるコンセプトの商品ばかりですので。その名前を聞いて、“何に使うものなのか”が伝わらないと、買っていただけませんから」