試しに東京キー局の地上波・計7チャンネルを対象に調べてみると、J-POPアーティストのスタジオ歌披露をメインコンテンツとしてレギュラー放送しているのは、全部で13番組。局ごとの内訳はこのようになっています。

◆NHK 3番組(うたコン/SONGS/シブヤノオト) ◆日本テレビ 1番組(バズリズム02) ◆テレビ朝日 2番組(ミュージックステーション/関ジャム 完全燃SHOW) ◆TBS 2番組(CDTV/PLAYLIST) ◆テレビ東京 3番組(プレミアMelodiX!/音流~ONRYU~/月~金お昼のソングショー ひるソン!) ◆フジテレビ 2番組(MUSIC FAIR/Love music)

 一方、2018年11月時点で音楽専門の『HIPHOP』『MTV HITS』を含む全24チャンネルが放送されているAbemaTVにおいて、上記のようなレギュラー放送のJ-POP系歌番組に該当するのはわずか1番組。

◆AbemaTV 1番組(bpm TALK & LIVE SESSION)

 地上波の歌番組の華やかなイメージやSNSなどでの盛り上がりに比べると、どこか茫然としてしまうほど、AbemaTVにおいてJ-POP系歌番組の存在感はごくわずかです。

 しかもAbemaTVでは同時に、K-POPアーティストの登場するレギュラーの歌番組(ミュージックバンク/ショー!K-POPの中心)が毎日放送されているため、ネットでちゃんとした歌番組を見たいという需要を叶えるためには、いっそそちらを見てしまった方が早いという現状です。

地上波のテレビとネット配信の大きな違い

 現在は、昭和~平成のテレビ全盛期を知る視聴者が圧倒的に多く、それに伴って地上波のテレビの影響も、大きいものとして保たれ続けています。

 しかし幼い頃から、すでにインターネットの普及した世界で育ってきた21世紀生まれの若者たちにとって、その“大きさ”が、なかなか理解されにくいものであるというのは、ある意味、当然のことです。

 彼らは今この瞬間も地上波のテレビコンテンツを横目に、ボーダーレスなネット配信をごく身近なものとして受け入れ、親しみをもって楽しんでいます。