では、自分らしさを伸ばすには何が必要なのだろうか?
「自分が好きなものや自信があるものをひとつ見つけてください。イヤリングが好きならイヤリングにこだわる。笑顔に自信があるなら笑顔を意識するなど何でもいいんです。
すべてを相対的に伸ばそうとするから疲れるわけであって何かひとつ自分が“これだ”と思えるものを伸ばす。すると、自己投資をしていることもあって、次第に自分に自信がついてきます。何もしないのがいちばんよくありません」
幸せは人に伝染する
ある対象を評価するとき、それが持つ顕著な特徴に引きずられ、ほかの特徴の評価が見えづらくなる現象を「ハロー効果」という。視線耐性の低下と紐づく自信の喪失を防ぐために「ハロー効果」を利用するのも対策のひとつ。
現在、視線耐性度をチェックできるスマートフォン向けサイト『GATSBY 全国統一視線耐性テスト』もあるため気になる人は、まずは自分の視線耐性度をチェックしてみるといいだろう。
「幸せが人に伝染することは、科学的に証明されています。奥さんが視線耐性の努力をしていたら、ズボラな旦那さんも“自分だけダサいままはイヤだ”と意識し始めるようになる。
パートナーがいる方であれば、お互いにケアをし合うだけで、視線耐性の低下をブロックすることができる。逆に、何もしなければ視線耐性が低い状態が常になり、家族や子どもにまで影響を与えてしまうかもしれません」
他者の目を気にしない家庭に育った子どもが、ズボラな性格に育つ可能性があるかもしれない……。
「視線耐性と聞くと、容姿にばかりフォーカスが当たりがちですが“自信の低下”と密接につながっています。どれだけ美しくても中身に自信がなければ、視線耐性は低下してしまう。容姿に特化して考えるのではなく、自分の生活度や幸福度を豊かにするという視点が必要。“プチ幸せ探し”が、視線耐性低下にブレーキをかけます。
今後はよりスマホをはじめデジタルな社会とつながっていく。その中でいかにして、リアルな自分を見失わないか? 魅力的な自分作りをするうえでも視線耐性をチェックしてほしいです」
視線耐性の低下は、自信の低下ともシンクロする。自信に満ちた魅力的な生活を作るために、あえて視線耐性度を意識し心がける。逆転の発想で、魅力的な自分を作り出してみてはいかが?
(取材・文/我妻アヅ子)
《PROFILE》
森川友義教授 ◎もりかわ・とものり 1955年、群馬県生まれ。早稲田大学国際教養学部教授。ボストン大学政治学修士号、オレゴン大学政治学博士号取得。専門分野は進化政治学、日本政治。近著に『黄昏流星群学~54歳からの恋愛聖書~』(小学館) など。
《INFORMATION》
『GATSBY 全国統一視線耐性テスト』https://shisentaisei.com/