西川「一般的に、子どもが欲しいと思って夫婦生活を排卵日のあたりで行うと、90%の人が6か月くらいで妊娠するといわれています。そこで1年間、妊娠しなかったら、その現象を不妊症というんです。不妊症は現象であって、病気ではありません。
だから、若くても年をとっていても、ある程度、妊娠しなかったら何か原因があるので、そこを探っていくというのが不妊治療なんです」
加藤「そうなんですね。主人も、いずれ授かるんじゃないか、とのん気に構えていましたし。あと、私の姉も40歳で出産しているんです。しかも自然妊娠で。だから、私もタイミングが合えば授かるものだと思っていたんですよね」
西川「でも、42歳から頑張って、本格的な不妊治療に入られたということは、年齢的に見てすごいことだと思います」
加藤「ありがとうございます(笑)」
不妊の48%は男性側の問題
そして、クリニックの門を叩いた加藤だったが、予想もしていなかったことをドクターから告げられた。夫の男性不妊─。
加藤「あのとき、主人は私の付き添いで行く、くらいのスタンスでクリニックへ行ったと思います。そこで、卵子の老化ということを教えていただき、旦那さんも調べたほうがいいと言われて、検査を受けました。そうしたら……」
西川「男性不妊だったと」
加藤「主人は性欲があって射精ができていれば男性不妊なんてないと思っていたんです。でも、精子の運動率とか正常形態が、と説明されてポカーンとなってしまって」
西川「ひと昔前は、妊娠を阻害するものは女性側に大半あると思われていましたが、実際は不妊症の原因の48%は男性側にあります。男性は自分は大丈夫、と思っている人がほとんどですけど」
加藤「当時は私も妊娠できないのは、タイミングが合わなかったのかな、ぐらいにしか思っていなくて、まさか主人に問題が、なんて考えてもいませんでした」
西川「現在、男性不妊について医学はすごく進歩しています。ちゃんと検査すれば、ほぼ99%克服できるんです。
精子が1匹でもあれば、医者がフォローできるんです」
加藤「99%問題をクリアできることが、もっとみんなに周知されればいいですよね」
西川「旦那さんはドクターの話を聞いて、ショックはなかったんですか?」
加藤「ショックというよりは、ビックリしたみたいです。でも自分にも原因があるということと、私自身の卵子にタイムリミットがあるという情報が2つ同時に入ってきたことで、協力的になってくれたのかなと思います」
西川「それをよく理解してくださったから前に進めたんでしょうね。旦那さんの協力がなかったら、絶対に妊活はできませんから」