数ある映像系サブスクリプションのなかでも「サブスクの王者」と呼ばれているのが、アメリカから日本へやってきた『Netflix』。'18年末の決算報告によれば、有料会員数は全世界で1億3900万人。番組製作費は約120億ドル(約1.3兆円)を投じており、'19年には約150億ドル(約1.6兆円)まで拡大する見込みだ。なぜこれほど製作費を注ぎ込めるのか。
『Netflix』はどうしてウケる?
「彼らが強いのは、会員から月ごとに莫大な固定収入を得られることです。少し赤字になっても、中長期的にみれば会費により補填できる。なかでもNetflixは単純に1人あたりの月額を1000円としても1390億円もの継続的な月収が見込めるので、冒険的な番組づくりに挑める仕組みがあります」
圧倒的な資金力を有する一方で、番組製作にかけるこだわりもみられる。各分野のプロである5人のゲイのチームが、悩める人を匠の技で変身させるリアリティー番組『クィア・アイ』や、麻薬王の人生を描いた海外ドラマ『ナルコス』といった物議を醸すテーマの作品を打ち出す一方、舞台裏では製作陣がきっちりハラスメント研修を受講。クオリティーファーストに余念がないのも高評価の秘訣だろう。
競合との差別化のため、ただ過去の映像を配信するのではなく、オリジナル番組づくりに注力する流れを生んだのも同社だ。
「魅力ある作品を手がけるのは、どのサービスも抱えている課題です。特にドラマは連続で配信できるため会員の心をつかみやすく、Netflixはいち早くその可能性に目をつけていました。'13年に配信開始された『ハウス・オブ・カード 野望の階段』がテレビ局以外で初めてエミー賞を獲得して以降、不動の地位を築きつつあります」
'18年のエミー賞では、年内最多となる112部門にノミネート。今後も業界の牽引役として、視聴者を楽しませてくれそうだ。
そんなNetflixも含めて、現在の映像系サブスクは群雄割拠の状況だ。具体的にはどういったサービスがあり、何をポイントに利用すればいいのか。