このように、同じ付属校であっても、受験推進派なのか否か、しっかりとご確認ください。
受験推進派の学校のなかには、中学になって教育方針がガラリと変わるところもあります。中学高校の進路実績、教育方針、実質数字(複数合格しているであろう人数を正確に読み取る)をしっかりと把握し、お子様の大学までのロードマップも考えたうえで学校を選んでほしいと思います。
8月17、18日に北の丸公園内の科学技術館で行われる東京都私立学校展など、まだこれからでも間に合う中学高校の説明会もあるかと思いますので、個別ブースで相談されてみてください。夏休みの中だるみ解消のためにもぜひ足をお運びいただきたいです。
そして、大学までの付属校の場合、小学校~大学までの16年間、本当にその学校に通いたいのかという点は、いま一度よく考えてみてください。
小学校受験で妥協して進学した学校であった、もしくは学内で生活しているうち他校に魅力を感じるようになった、といったことはあるかもしれませんが、青山学院では、中学で慶應普通部や中等部を受験する生徒も学年に10名ほどいた年もあったそうです。
■いま注目すべき学校は……
続いて「受験校」の場合です。例えば、男女別学校の最難関である暁星や雙葉は大学が付属ではないので、小中高を通して学んだ先に大学受験があることが大前提です。
こうした受験校のなかで、いま注目すべき学校としては、東京女学館があげられます。東京女学館は2017年に付属大学を廃止。そのかわり、指定校推薦の数を増やし、歴史ある女子校独特の授業のプログラムを刷新し、大学受験準備のしやすい学校へ変貌を遂げたんですね。
この東京女学館のように、大学への指定校推薦の多い高校の付属小学校は併願校としてお買い得とも考えられます。本年度に関していえば、暁星が東大現役合格1名、白百合学園が5名に対し、東京女学館の2名は大健闘の数字と考えられます。また、早慶上理、GMARCH、津田塾、東京女子、日本女子大などに60人が指定校推薦で進学可能となっています。学内の成績と小論文、面接でこれらの大学に進学ができるというのは、かなり美味しいと思います。
また、2020年春からは、横浜英和が青山学院の系属校となり、基本的に全員が青山学院大学に進学できることとなりました。
何があっても大学受験のない付属校なのか、中学、高校、大学進学のタイミングで他校への受験が認められている、もしくは推奨されている学校なのか?
志望校や併願校を選ぶ際には、ぜひこうした点をおさえてください。そして基本的に大学までの16年間学んでほしいと考える学校、早稲田、慶應、青学、学習院、成城、立教などを志望する場合には、面接や願書でもしっかりとその旨を明記するのが得策であると思います。
<著者プロフィール>
いとうゆりこ◎お受験コンシェルジュ&戦略プランナー。自身の経験から美容や健康・芸能・東京に関するマネー情報まで幅広い記事を各媒体で執筆中。いとうゆりこ受験情報公式サイトは、https://itoyuriko.studio.design