――幼稚園に入園されてみていかがでしたか?

幼稚園では、お母様が働いている方なんてほとんどいませんでした。

 我が家は幼稚園の朝の送りは主人との当番制、迎えは私が会社に週に2回ほど早退の申請をし、残りの3日は送迎シッターさんに依頼。幼稚園行事は仕事を休める方が休む、といった感じで長女の幼稚園生活をスタートしました。

 しかし、働いていない幼稚園のママさんたちは、朝、幼稚園に送るとそのまま“朝お茶会”、週に1度はランチ会、幼稚園帰りは公園でお遊び会と、とにかく皆様“お暇”なようで。集まれば小学校受験の話、人の悪口大会、マウンティング合戦ばかり。そんなものに何時間も無駄なお金を使って付き合うのが馬鹿馬鹿しくなるほどでした。

 そして働くママを何かと見下してくるんです。自分の経験よりも“ご主人の地位”や“財産”でランク付けされているようで、保育園ママとはまた違った価値観で攻めてくるんですよね。

 たとえば、ある日、私がとある有名女子校出身だという話をしてしまったら、“その女子校からどうして学習院大学なの? 早慶も狙える高校なんじゃない? お勉強苦手だった?”と言われました。

 ただ、そう言ってくるママさんは大学も卒業していないんですよね。ハワイに遊学していたそうです。もちろん働いた経験もないそうです。なかには、再婚した年の離れたご主人が有名な企業の社長さんだという元ホステスのママさんもいましたが、彼女が幼稚園のボスママ的存在でした。

 こんなママさんたちのお子様が慶應幼稚舎や聖心、白百合などの「名門小」に進学を希望されているなんて、なんか笑っちゃいましたよ。私は絶対に子どもの小学校受験を成功させて、このママさんたちを見返そうと思いました

――どのような小学校受験準備をされましたか?

娘が年長、息子が年少になったとき、思い切って長年勤めた会社のフルタイム勤務を辞め、小学校受験の準備に本腰を入れました。色々な小学校の説明会をまわり、自分なりの分析をし、お教室の先生に進路相談をしたところ、小学校受験は大きく3つに分類されることがわかりました。

 まず出身や関係者に有利な学校、そして、ペーパー(筆記試験)や運動、実力重視の学校、最後に家柄重視の学校の3つです。

 このなかで、変なママさんたちに悩まされない学校は「家柄重視」の学校に分類されるなと。それが学習院初等科だったのです。

 学習院であれば、同大学卒業の我が家にも可能性があるかもしれない! と思い、塾の先生に相談すると、“大学だけ卒業なんてまったく効力はない、フリーで受験するつもりで準備をするように”とアドバイスをいただきました。

 そこで、『ジャック幼児教室』と『伸芽会』の大手教室で、それぞれ学習院クラスを掛け持ちし、さらに難関ペーパー校向けの個人の先生、行動観察教室にも通わせることにしました。

 授業料だけで1ヵ月30万円以上。自営業の主人は“経費として、まったくおろせない金額”と失笑しながらも協力してくれました