普段のシャンプーは“洗いすぎ”
一般的なシャンプー剤は、頭皮の汚れや脂をきれいに落とすメリットがあるが、一方で“きれいにしすぎる”デメリットもあるのだとか。
「頭皮からは皮脂が分泌されますが、何のために出るかというと、外界からの刺激を防ぐバリアの役割を果たす角化層を、濡らして頭皮に張りつけておくことで保湿とコーティングをしてくれるのです。
皮脂がなくなると角化層がはがれ落ちやすくなりますが、これは深爪と同じで何らかの刺激ですぐに出血してしまいます。つまり、シャンプー剤を過度に使うことは、頭皮を守ってくれる皮脂を過剰に洗い落としてしまうのです」
当然のように毎日使っていたシャンプー剤は、頭皮乾燥の原因にもなっていたのだ。
ただ、これまで実際に湯シャンを試した人もいるはず。でも、シャンプー剤を一切断ったものの、逆に頭皮のべたつきやにおい、かゆみが出てしまい挫折してしまったケースも少なくないのでは。それは、やり方が間違っていたのかもしれない、と北條先生。
「湯シャンといっても“シャンプー剤をまるっきり使うのをやめる”のはオススメしません。推奨したいのは2日に1度、シャンプーをした次の日は頭皮をいたわる気持ちで湯シャンにすることです。
最初は物足りないように感じるかもしれませんが、“明日、シャンプーで洗えばいいか”と気楽に構えてください。毎日、朝晩にシャンプーをしていたとすれば、肌にかかる負担は4分の1に減ります」
2日に1度でいいのだ。それだけで十分に頭皮は乾燥から守られ、いいほうに改善されていくという。さらに、こんな作用をもたらすことも。
「これまでシャンプー剤を多用して頭皮に負担をかけていた人が、湯シャンにすることで髪の毛が増えることもあると思います。
極端な例で言えば、皮脂を過剰に落としすぎて皮膚炎を起こした場合、それが抜け毛、薄毛の原因になっていたとも考えられます。これを湯シャンで頭皮のコンディションを整え直してあげることで、再び髪の毛も元どおりになることもあります」