3.洗う

 頭皮を傷つけないように、爪を立てず、力を入れすぎずに指の腹で全体をもむように洗う。洗髪ブラシなどの器具はなるべく使わない

4.流す

 浮き出た脂や汚れを洗い落とすように、頭皮と髪の毛を丁寧にシャワーで3分~5分流す
 ※枝毛防止やつや保持のためのトリートメントやコンディショナーは使用OK。頭皮につかないよう注意

北條先生のポイント
「冬場の大敵といえば、乾燥が引き起こす静電気。髪の毛のキューティクルがはがれたりダメージにつながるので、トリートメントをして静電気を防止したほうがいいでしょう」
5.乾かす
5.乾かす
5.乾かす

 髪の毛をこすらないようタオルで水分をしっかりふき取る。ドライヤーは十分に距離をとり、基本は冷風を使用して温風と併用しながら乾かす。温風を当てすぎると頭皮の乾燥の原因にもなるので注意

※湯シャンの効果は体質によって異なります。頭皮の諸症状の悪化や違和感があった場合は中止してください。

髪の毛は若返らない!?乾燥から髪を守る湯シャン

 よく“髪の毛に栄養を行き届かせる”などという表現を耳にしますが、それは絶対にありえません。髪の毛自体に栄養を代謝させる器官がないからです。

 例えば、細胞が栄養素をとりこんで皮脂腺を作る、修復するというのが生命現象ですが、髪の毛にはその機能がありません。髪の毛を切っても痛みを感じないのはそのためです。

 また、若いころはつや、ハリ、太くてキューティクルがあった髪の毛が、年をとるにつれてつややハリもなく細くごわごわしてくるのは、毛根が健康的な髪の毛を作れなくなっているからです。残念ですが、これを若返らせることはできません。

 よく美容院に行って“つややハリが戻った”と思われるでしょうが、言い方は悪いですが、“車のワックスがけ”と同じことで、髪の毛を一時的にコーティングしているだけなのです。

 ワックスをかける必要のなかった新車が、年月がたつにつれて色つやが落ちてくるように、髪の毛も同様でトリートメントなどのケアが必要になります。

 なので、日ごろからドライヤーを長時間あてない、紫外線からキューティクルを守るなど、いかに髪の毛の質をキープしていくかにかかっています。その手助けのひとつとなるのが、皮脂を残して乾燥から頭皮と髪の毛を守り、いたわることができる湯シャンなのだと思います。

北條元治 医学博士 株式会社セルバンク代表取締役。RDクリニック顧問。東海大学医学部非常勤講師。信州大学医学部附属病院勤務を経てペンシルベニア大学医学部で培養皮膚を研究。帰国後、東海大学にて同研究と熱傷治療に従事。'04年、細胞保管や再生医療技術支援を行う株式会社セルバンクを設立。著書に『美肌のために必要なこと』(スタンダーズ刊)、ほか多数。

イラスト/上田惣子