まずは働き方のイメージを見直して
ただし、そんな状況を招いてしまうのは、シニアたちの意識にも原因がある。
「再雇用されたシニアが『これであと5年は安泰だ』と考え、ただ会社にしがみついている人が多いのも事実。会社としては、本来なら若い人たちのお給料に回すべき原資を使ってシニアを雇っているのに何も会社に貢献せずダラダラされたら、冷ややかな対応になるのもしかたありません」
そこで松本さんは、幸せなセカンドライフへの第一歩として、「まずは働き方のイメージを見直して」とアドバイスする。
「今の中高年層は“働く=雇われる”というイメージが強い。だから、今まで勤めていた会社に再雇用されれば安心だと思ってしまうのです。でも世の中には、自分が得意なことを活かして起業したり、フリーランスになる選択肢もあるし、NPOや有償ボランティアなどの社会貢献活動に打ち込む人もいる。
最近は地域に役立つ活動をして収入を得る“コミュニティービジネス”も増えていて、この本でも地元の人たちの交流の場になるカフェを始めたご夫婦を紹介しています。だから発想を切り替えて、自分を活かせる場所を広い視野で探すことが大切です」
自分を活かせる場所、それはつまり「自分がやりたいことをやれる場所」だ。だが松本さんによれば、男性は「自分がやりたいことがわからない」という人も多いらしい。そこで必要になるのが、妻の力だ。