――小学校受験ではやはり白百合を目指されたんですか?
「そうだったんですが、お教室の白百合クラスで出身者が目を血走らせている姿に何か引いてしまって、出身中学の付属小学校と、出身大学の付属小学校である立教女学院を受験することにしました。
そこで、ご挨拶がてら学園祭に娘を連れて行ったのですが、“こんな学校楽しくなさそう”と乗り気じゃなかったんです。とはいえ、準備もしっかりしていたので、落ちるはずではなかったのですが、結果は不合格でした。
まあ本人はもともと女子校には行きたくないと言っていたので、中学受験で入れたらいいと思うことにして、区立の小学校に進学することにしました。
そこで年明けに港区の人気区立小学校エリアに引っ越したのですが、区外から引っ越してきた転居者のための転居者枠だったのか、運良く希望の小学校に進学が決まったんです!
そこは公立なのに英語教育にも力を入れていて、校内放送や学級通信も日本語と英語の二か国語放送。小学校卒業時にはネイティブレベルになるという、港区のなかでも人気の小学校なんです! 気分良く小学校生活をスタートしたのですが、小学校受験を成功させた幼稚園ママの勝ち誇った態度にちょっと……」
――何があったのでしょうか?
「幼稚園のお友だちとは引き続き一緒に良く遊んでいて、2年生に上がる頃には、中学受験を考えている子たちは、塾の席を確保するために早々とSAPIXに入会したなんて話をしていたんですが、その子どもたちを交えたお遊び会に久しぶりに現れた、小学校受験を成功させたママの豹変ぶりに驚いたんです!
息子さんの進学と同時に、進学先である慶應横浜初等部のある横浜に引っ越していたので、一年ぶりの再会だったのですが。
幼稚園在園中は、わりと地味なお母さんだったんです。いつもすっぴんにメガネ、黒いノーブランドのバックを持ち、雨の日は“視界が広いからビニール傘が一番便利!”なんて言う、気さくな性格でわりと好きなママさんだったんですよね。
そんなママがですよ、毎回違うエルメスの『バーキン』や『ケリー』を持ち、傘はフォックス・アンブレラのフリフリ傘を持ち、首元にはヴァンクリの『アルハンブラ』! ばっちりメイクでまさに雑誌『VERY』の読者モデルみたいな姿で現れるようになったんです。
話を聞けば、幼稚園のあいだはそうした姿を封印していたそうで、若いときはモデルをしていたそう。ご主人とも、モデルとCAのみ参加可能な合コンで知り合ったとか」