【葬式とお墓】
葬儀社の手配、関係各所への連絡、通夜・告別式、火葬や納骨、役所への届け出、各種費用の清算、遺品の整理……。おひとりさまである自分が死んだ後のことを誰がやってくれるのかは当然、気になる。
兄弟や甥姪など、自分の財産を相続する人がいればその人にやってもらうのが一般的。では、身寄りのないおひとりさまが亡くなったら?
「死後に関する準備をまったくしていなかった場合は、住んでいた家の家主や民生委員、地方自治体の長が“最低限の”葬儀や埋葬を行ってくれます。しかし、葬儀は僧侶による読経はなく、通夜も告別式もない“直葬”です。つまり火葬されるだけ。埋葬も無縁仏として合祀されるだけです」
自分の人生を、納得のいく形で締めくくりたいと望むなら、事前に自分で準備しておく必要が。
「生前に葬儀社と契約する人が増えています。死はいつ訪れるかわからないので、3~5年ごとに契約を更新する形をとっている葬儀社が多いようです」
では、お墓は?
「おひとりさまの場合、海や山に散骨してほしいと望む人が多いです。もちろん、先祖代々の墓や、自分で用意した墓に入る人もいます」
おひとりさまの場合、たとえ葬儀やお墓の準備をしていても、それを実行してくれる人が必要。
「そういった死後のもろもろを第三者に託す“死後事務委任契約”が普及しつつあります。ペットや各種費用の清算など、自分が死んだ後に気がかりなことがあるなら、信頼できる人と死後事務委任契約を結んでおくのもひとつの手です」