ポジティブな情動のほうが効果的
いじめや虐待、人が死ぬようなニュースを見たときの涙は、逆にストレスを招くような気がするけれど。涙活に禁止事項はあるのだろうか。
「涙活では自分の体験に関係のない他人事で涙を流すことをおすすめしています。というのも実体験での涙だと自分自身のストレスが含まれてしまいます。このような涙はかえって不快なストレスを思い出すことになり、悲しみや怒りとして蓄積されてしまう可能性もあるんです。
また、悲しいニュースを見て泣く涙よりも、ポジティブな情動の涙のほうがより効果的」(寺井さん)
前出の有田秀穂教授によると、情動の涙のなかでも、とりわけストレス解消効果が高いのは、感動したときに流す涙だという。
感動的なドラマや映画を見て流す涙は、涙活に適しているといえよう。
「リラックスできる環境づくりも重要です。照明は暗めのほうが泣きやすいですね。お子さんや旦那さんがいて、ひとりになれない主婦の方などには、お風呂にタブレットなどを持ち込む『お風呂涙活』もおすすめ。誰にも気兼ねなく泣ける環境が大事です」(寺井さん)
最近、自分がいっぱいいっぱいだなぁ、と感じているなら、お金も手間もかからない涙活を始めてみましょう。
次ページでは絶対、泣ける涙活作品をご紹介!
《週刊女性編集者が涙活に挑戦!》
◎編集K……最愛の息子(6)のことならすぐ泣けるアラフォー。泣きツボは子ども、老人モノ
「締め切りを抱えてストレスがたまった状態で涙活に挑戦しました。泣きに使ったツールはYouTubeで『泣ける動画』を検索。編集部で見始めたら、わずか4分ほどで2滴も涙が! 自宅で見ていたら、きっともっと号泣していたでしょう。ちなみに『パパは嘘つき』という香港の生命保険会社のCMが刺さりました。わずか10分でティッシュがにじむ程度、泣けただけなのに、なぜかスッキリしてその後の作業がはかどりました。涙活、続けようと思います」
Kのオススメ→『パパは嘘つき』(https://www.youtube.com/watch?v=ZvIgd4C1WCw)
ツイッターで話題になった香港のメットライフという保険会社のCM。「パパは私のヒーロー」という娘の作文から始まり……。親子モノ、子どもモノが泣きツボの人は見終わるころには号泣間違いなし!
編集S……めったに泣かないアラサー。泣きツボは戦争モノ、ドラえもん、動物モノ
「彼氏にフラレたときも泣かなかった私が毎回、号泣するのが戦争モノ。特に家族に関する話は必ず泣きます。
涙活をするにあたって選んだのは原爆朗読劇『夏の雲を忘れない』のドキュメンタリーの録画番組。中盤で、出演者のひとりが幼なじみをはじめ原爆で亡くなった子どもたちのことを語る場面で涙腺崩壊。ところどころで語られる朗読に涙し、手弁当で会を運営してきた背景に涙し……。番組を通して、ただ悲しいだけじゃない、いろいろな涙が出ていたと思います。すっきりしたのと同時に“頑張ろう”と思えたので、涙活でちょっと元気になれたような気がしました。
ほかにも絶対に泣けるのがドラえもんの『おばあちゃんの思い出』。とにかく泣ける。ドラえもんの映画はとにかく泣ける作品がたくさん。おすすめです!」