「7つのルール」はどれも実践が簡単
《ロダンのポーズでいきまずスルッ!》
排便時におすすめなのが、ロダンの“考える人”の姿勢=上半身を倒して前傾する姿勢。洋式トイレに座ったら、上体を前かがみにし、ひじを太ももにのせて、かかとを軽く上げて。こうすることで、直腸と肛門が一直線になるので、便がスムーズに移動しやすくなる。またトイレタイムは3分までを習慣に。
《「肛門体操」でお尻を元気に保つ!》
肛門にある括約筋(かつやくきん)を動かす体操。やり方は、肛門をゆっくりと5~10回締めるだけ。このとき、ティッシュを箱から1枚ぬきとるように、ティッシュをつかんで持ち上げるようなイメージで肛門を締めて。起床時や寝る前、デスクワークの合間など1日数回やると効果的。
《1時間に1回「10m歩き」を》
長時間座っていると、体重がお尻にかかり続けることでうっ血しやすく、炎症の原因に。おすすめはキッチンタイマーの活用。1時間にセットして、そのたびに10m歩く、というのを習慣化させて。これだけでお尻のうっ血を大幅に軽減させることができる。
《カイロや靴下で夏冷えを徹底予防》
身体が冷えると血液の循環が悪くなり、肛門括約筋も緊張状態となり、痔が悪化しがち。また自律神経が乱れ、下痢や便秘にもなりやすい。夏場でも冷房などで「寒い」と感じたら、腰にカイロを貼ったり、靴下やひざかけなどで防寒を。また足首を回したり、足の指を曲げ伸ばしするだけでも、血行改善に。
《痛みがあるときのゴルフ、テニスはNG》
痔が痛むときは、肛門に負担のかかるスポーツや趣味だと、より悪化してしまうことも。例えばゴルフや野球、テニスは、ボールを打つ瞬間に肛門に力が入るので大きな負担がかかる。またスキーやスケートは冷えにより血流が悪くなるし、釣りも長時間座っているので、うっ血しやすい。これらをやるなら、体調のよいときに!
(取材・文/樫野早苗)
<PROFILE>
平田雅彦さん ◎平田肛門科医院院長。「手術をしないで治す」を信条とする肛門科専門医。32年間で、のべ38万4000人以上の痔患者を改善に導いた。近著に『自分で痔を治す方法』(アチーブメント出版)など。