菌を“増やさない”コツ

 冷蔵庫内で菌を増やさない、広げないためには清潔に保つことと、7割収納が大前提だ。

 そこで、きれいを持続する習慣を冷蔵庫収納の達人、東いづみさんに聞いた。

冷蔵庫奥にはモノを入れないこと、定位置を決めることが、きれいで、なおかつ7割収納をかなえる秘訣だと思います。モノが重なると、死角が生まれ、入っていたことを忘れてしまったり、また取り出す時間もかかります。よく使うものは定位置を決めてしまえば買いすぎを防げますし、冷蔵庫の開閉時間も減らせます」(東さん)

 また、掃除も面倒なカゴ類などの収納グッズは、やはり避けたほうがいいとのこと。

「特に入れっぱなしは避けましょう。お惣菜や野菜を入れるタッパーなどは、食材を出したあとに、そのつど洗うので、清潔に使えます。冷蔵庫の中身が少ないと、サッとすぐにふきそうじができますから、清潔な状態がキープしやすくなります」(東さん)

 また、食中毒にかからないためには細菌に打ち勝つ身体づくりも大切になってくる。

「感染型といわれる菌は、身体の中でも増えますが、腸で善玉菌ががんばってくれれば食中毒の症状も軽くなります。ですから、ヨーグルトやオリゴ糖、食物繊維を多くとって腸内環境を整え、免疫力を上げておくことは食中毒予防の観点からいっても有効な対策です。食欲がないときは、ダイレクトに栄養素が吸収でき、オリゴ糖も食物繊維も豊富な甘酒がおすすめです」(金内先生)

どこに何があるかパッと見ですぐにわかるよう、常に冷蔵庫内は整理整頓! が鉄則
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【写真】病原菌別にみた食中毒患者数や食中毒菌ワースト6の菌対策を一覧表でチェック!

気をつけたい! 食中毒菌いろいろ

 食中毒のほとんどが微生物によるもので、その9割を占めている。経年的に見てみると、サルモネラ菌や病原性大腸菌(O-157)などは減少している一方で、肉の生食によるカンピロバクターや、カレー食中毒の原因菌でもあるウェルシュ菌などの患者数が多い傾向に。増殖速度が速い腸炎ビブリオや、真空パック内でも増殖するウェルシュ菌は残り物が入った鍋やお弁当などでも増殖するため、この季節は特に注意が必要です。

食中毒菌ワースト6の菌対策!
食中毒菌ワースト6の菌対策!

《PROFILE》
金内誠さん ◎宮城大学 食産業学群教授。博士(生物環境調節学)。発酵・醸造技術を用いた商品開発および高品質製造に関する研究を行っている。

大河内昌弘さん ◎おおこうち内科クリニック理事長・院長。総合内科専門医として糖尿病、消化器、内分泌代謝などその専門は幅広く、患者の全身を診ることをモットーとする。