──相手に頼ればいい、というだけではダメだと。

 彼女に迷惑をかけたくないし。あとはやってもらうほうが感謝しないとダメですね。頼るだけではなく、相手の負担を減らすことも考えないと。こんなこと、若いときには考えませんでしたよ。自分が動けなくなるなんて思いもしなかったし。

病気になったから見えてきたもの

 茶は結婚の5年前に大動脈解離を発症。2014年には、パーキンソン症候群に罹り入院している。筋肉を動かすリハビリは約1年続いた──。

 あのときは私自身がパニックになって何もできなくて。加トちゃんは覚えていないかもしれないけど、病室でポツリと漏らした言葉があるんです。

 何か言ったっけ?

 “今まではいい車が買いたいとか、自分の欲で仕事を頑張ってきたけど、元気になったらこれからの人生は人のために、たくさんの人に笑顔と勇気を贈れる自分になりたい”って。病気をしないと見えないことってあるじゃないですか。

 私も若くして結婚して未熟な部分だらけだったし。加トちゃんの病気があって、考え方とか変わったから。あのとき、本当に夫婦になれたのかなって。未熟じゃなければ、あのときみたいな派手な格好しなかったと思うしね(笑)。

 結婚当初、その年齢差からさまざまなバッシングを受けた綾菜。改めて振り返ってもらうと……。

タレント活動も開始した加藤綾菜
タレント活動も開始した加藤綾菜
【写真】妻の加藤綾菜へ熱い口づけをする加藤茶

 でも、普通に考えたら気持ち悪いよね?

 え? そうか?

 私だったら思うもん。海外セレブの結婚で、おじいちゃんと20代前半の子が結婚しているとかあるじゃない。私、あれ見て“うわ、キモっ。絶対あいつ殺そうとしているわ”って言ってましたもん(笑)。だから言ったことがブーメランで返ってきた、みたいな(笑)。

 若くて見かけが派手だったから、俺が絶対に騙されていると思った人が多かったみたいだしね(笑)。

 結婚して加トちゃんがすぐに弱ったから、よけいに言われて。あれが引き金になったかな。でもね、あんなときがあったから、今があるという感じ。嫌いな夫婦ランキング、4年間くらい連続1位だったし。うちらは何も変わってないけどね。

 やっぱりワースト1位というのは、ある意味ね、見ている人が多いんですよ。ドリフターズで『全員集合』やっていたときだって、子どもに見せてはいけない番組1位だったから。