カロリーがでんぷんの約半分!
レジスタントスターチによる腸活パワーはそれだけではない。
「腸活で大切なのが、大腸のいちばん肛門側に位置する直腸まで働きかけること。ところが食物繊維は直腸にたどり着く前に、細菌に食べられるなどして早々になくなったり、そのまま排出される。でもレジスタントスターチは違います。大腸で少しずつ善玉菌のエサとなりながら、有害物質を回収しつつ直腸までたどり着き、善玉菌や短鎖脂肪酸をしっかり直腸へ運び込んでくれます」
直腸は大腸の中でも老廃物や毒素がたまりやすい部位。レジスタントスターチで直腸の環境を良好にできれば、大腸がんや潰瘍(かいよう)性大腸炎などの予防にもなる。
レジスタントスターチはダイエットにも大きなメリットが。レジスタントスターチを多く含む炭水化物を食べると、大腸内で作り出された短鎖脂肪酸が時間差でエネルギーになるため、満腹感が持続。そのうえ、普通のでんぷんは1グラム4キロカロリーなのに対して、レジスタントスターチは2キロカロリーと、およそ半分! 空腹感を感じることなく、総カロリー量を減らすことができる。
では、レジスタントスターチを摂取するにはどんな食材を選べばいいのだろうか。
「特に豊富なのは、小豆やひよこ豆、インゲン豆などの豆類。でんぷんの量が少ない大豆は、レジスタントスターチ含有量が少なめです」
しかし、毎日の食卓に並べるのはけっこう大変。そこでおすすめなのが炭水化物が豊富な主食を「冷まして食べる」方法。
次のページでは、笠岡先生直伝の効率的なレジスタントスターチ摂取方法をご紹介!
【ダルビッシュ選手が唯一食べる炭水化物は「冷凍焼きおにぎり」】
メジャーリーガーのダルビッシュ有選手が、自身のユーチューブチャンネルで「炭水化物は冷凍の焼きおにぎりしか食べられない」と発言。通常の精白米やうどんを食べると腕から首にかけて違和感が出るが、冷凍の焼きおにぎりだと、その不調はあらわれないのだそう。炊きたてより冷凍ごはんを再加熱したほうがレジスタントスターチが多く理にかなっている。一流アスリートであるダルビッシュ選手は、炭水化物を冷まして食べることによる身体への健康効果を敏感に感じ取ったのだろう。