はじめる前に知っておきたいポイント
【1】身体が左右どちらにひねりやすいか確認する
足を肩幅に開いてまっすぐに立ち、ゆっくりと身体を左右にひねり、どちらにひねるほうが後ろまで見えやすいかを確認。かかとが上がらないように足を床にしっかりつけたまま行うこと。あらかじめ後ろに目印を決めておくと左右の差がわかりやすい。座って行ってもOK。
【2】手は「身体をひねりやすい側」、足は「ひねりにくい側」に巻く
輪ゴムを手に巻く場合は身体をひねりやすい側に、足に巻く場合は身体をひねりにくい側に巻くのが原則です。例えば、身体を右側にひねりやすい人は、足には左足、手には右手に、左側にひねりやすい人は輪ゴムを右足と左手に巻きます。
【3】どんな輪ゴムでもOK! きついのはNG
一般的な16号(内径38ミリメートル)の輪ゴムなら、手指・足指は二~四重、手首・足首は一重が目安。皮膚に跡がつかない程度のゆるさから試し、効果が薄い場合はもうひと巻きしたり、内径や伸縮性が違う輪ゴムを使ってみて。長時間巻いていても違和感がない程度のゆるさで巻くのがコツ。
手と足のどこに輪ゴムを巻くとどんな効果があるかは、写真ページの一覧表をチェックしてください。注意点として、指先に巻いた場合、家事や仕事などをしている最中に輪ゴムが抜けてしまうことも。その場合は同じ指の付け根に巻いてもOK。輪ゴムのかわりに指輪でも大丈夫です。
では、ここからは症状別の詳しい巻き方をご紹介します。
◎めまい・頭痛
身体をひねりやすいほうの親指の爪の付け根の外側にあるツボ「少商(しょうしょう)」に輪ゴムを巻く。頭痛やめまいの原因のひとつには自律神経の乱れがあるが、少商にはその働きを整える作用がある。
◎肩こり・尿もれ
身体をひねりやすいほうの手首の手のひら親指側にあるシワから指2本分ひじ寄りのツボ「列缺(れっけつ)」に巻く。上半身の筋肉の緊張が解消されて肩こりがラクに。列缺は排尿トラブルにも有効で尿もれや頻尿の改善効果も。
◎ひざ痛・花粉症
身体をひねりにくいほうの足首の正面、中央のくぼみにあるツボ「解谿(かいけい)」に輪ゴムを巻く。身体の重心のずれを解消し、ひざ痛や股関節痛などに有効。足首を刺激することで上半身の自律神経のバランスが整い、花粉症にも効果が。
〜ためしてみました〜
・70代T・Yさん……長年の不眠が輪ゴムを巻いたその夜に改善!
「若いころから寝つきが悪くて眠りが浅く、そのせいで常に倦怠感がありました。寝る前に自分なりに睡眠の質を高める努力をしていたのですが、あまり効果は感じられませんでした。でも、不眠症のツボに輪ゴムを巻いたところ、その晩からぐっすりと眠れるようになり、うれしい驚きを感じています」
・60代H・Kさん……40年来の花粉症が輪ゴムを巻いたらラクに
「20代のころから花粉症に悩まされ、くしゃみや鼻水がひどく、花粉症シーズンは薬が手放せない状態でした。田川先生に教わった花粉症のツボに輪ゴムを巻いて過ごしてからは症状がラクになり、薬を飲まなくても花粉症シーズンを乗り切れるようになりました」
(取材・文/熊谷あづさ)
《PROFILE》
田川直樹さん ◎快風身体均整院院長。身体均整法学園で学び身体均整師として整体の道に進む。著書に『指に輪ゴムを巻くと腰、ひざの痛みが消える!』『体内疲労をとる5分間内臓ウォーキング』など。