症状別ツボ押しガイド【後編】
■腰痛に悩んだら、腎や子宮に効くツボを刺激する
中医学では、腰は「腎の府(“腎の居場所”の意)」といわれている。「腎」とは人の成長・発育・生殖や水分代謝、骨などを司る臓腑のこと。そのため、腰痛の根本的な原因は、腎や子宮の機能低下にあると考えられている。
・関元兪(かんげんゆ)……腰骨のいちばん高いところに手を当てて親指を背中側に伸ばし、親指が当たる部分の指幅1本下のところ。
押し方:背中のツボはテニスボールを使って押すのがラク。床と背中の間にテニスボールを置き、背中でグリグリと回しながらツボを刺激。
・ふ陽(ふよう)……外くるぶしに小指を置き、骨に沿って薬指、中指、人さし指をそろえて人さし指が当たった部分で、押すと筋肉がへこむところ。
押し方:ツボと同じ側の手の親指の先をツボに当て、手でふくらはぎをつかむようにしてグーッと押す。
■頭痛は痛む部分によって刺激するツボが異なる
中医学では、頭部に身体全体の気が集まると考えられており、頭痛の部位と臓腑には関連性があるといわれている。そのため頭痛は後頭部の痛み、側頭部の痛み、こめかみの痛みの3つに分けて考え、それぞれの経絡にあるツボを押す。
・崑崙(こんろん)……後頭部の痛みに。外くるぶしとアキレス腱の間にあるくぼんだところ。
押し方:ツボと同じ側の手の親指の先をツボに当て、手でふくらはぎをつかむようにしてグーッと押す。
・陥谷(かんこく)……こめかみの痛みに。足の人さし指と中指の骨の付け根にある関節の出っぱりから足首よりにあるくぼみ。
押し方:親指の先をくぼみに当てグーッと強く押す。
・足臨泣(あしりんきゅう)……足の薬指と小指の間を足首に向かってたどり、骨の付け根手前の陥没したところ。
押し方:親指の先をくぼみに当てグーッと強く押す。
■目の疲れや眼圧の改善にも役立つ老眼のツボ
目の症状には、血液を貯蔵したり全身の気の流れを整える働きを司る「肝」と腰痛でも説明した「腎」が密接な関わりがあるとされている。ここで紹介する肝と腎に関わるツボは、現代人のほとんどが強い痛みを感じるはず。
・脳空(のうくう)……手の薬指と小指の間を耳たぶの下側に当てて指を挟み、中指が当たる付近にあるくぼみ。
押し方:人さし指の第2関節でグーッと強く押す
・太衝(たいしょう)……足の甲側の親指と人さし指の骨が結合する手前にある軽いくぼみ。
押し方:親指の先をくぼみに当てグーッと強く押す。
(取材・文/熊谷あづさ)